(2007年12月10日)

ドルは対円で上昇、対ユーロで下落を予想

     (予想レンジ:110.00円〜113.50円)

米景気の先行きに不透明感が漂う中、為替市場でFOMC(12/11)の行方に注目が集まっている。

先週末発表の11月の米非農業部門雇用者数は、前月差9万4千人増となり、市場予想を上回ったものの前月からの鈍化傾向が続いた。

米雇用の鈍化傾向が続く中、FOMCでは利下げが確実視されている。利下げ幅については25〜50bpと予想は割れており、現在金融市場では50bpの利下げを25%程度織り込んでいる状況だ。いずれにせよ利下げにより米株価が上昇した場合、ドルの支援材料になるだろう。

また、FOMCでは、声明文の内容にも注目が集まる。前回10月FOMCでは保険的な利下げを行ったが、その後の金融市場の悪化を受けてどの程度FOMCの景気と物価のリスクバランスが変化しているかが注目される。

もっとも、ドル円相場については、景気鈍化観測が燻る中にあってはドルの上昇余地は限定的なものに留まる見込みだ。日銀短観(12月調査、12/14)では企業景況感の小幅悪化が見込まれるが、相場材料とはなりづらい。

一方でユーロドル相場は、ユーロの底堅い推移を予想している。ECBの利下げ期待の後退や、油価再上昇などがユーロの支援材料となろう。但し、欧州当局者のユーロ高警戒発言が行われればユーロが下落する局面もあり得る。



プロフィール
吉田 健一郎(よしだ けんいちろう)

みずほ総合研究所株式会社
調査本部 市場調査部 シニアエコノミスト

【略歴】
1996年3月 一橋大学 商学部商学科 修了
1996年4月 (株)富士銀行 入社
1998年10月 同国際資金為替部 為替対顧客ディーラー
2002年4月 みずほ銀行市場営業部 為替対顧客ディーラー
2004年4月 みずほ総合研究所(株) 調査本部 経済調査部
主に為替相場、原油相場を担当。

【著書】
「日本経済の明日を読む2007」(共著、東洋経済新報社 2006年)