(2006年10月19日)
エタノールに熱い視線―秋季市況特別講演会

東穀協会および東京穀物市況調査会は17日、東京穀物商品取引所で秋季市況特別講演会を開催した。パネルディスカッションでは、『穀物の大底打ちと反騰時期を探る―増大するバイオエタノールに熱い視線』と題して、コーン、大豆、小麦の需給動向や相場見通しなどを中心に各パネリストが活発に意見を交わした。
パネリストは、丸紅食料部門長補佐・石神高、アンドレィ・ファーイースト取締役穀物部長・大本尚之、ユニパックグレイン代表取締役・茅野信行、伊藤忠商事食糧部門市場調査室長・岩崎正典の4氏。
コーンの需給動向とエタノール投資を中心にディスカッションが進められた。シカゴ・コーンが3ドルを突破した現在、東京市場も先限が2万3000円台(17日終値)で強気の動きを示している。大本氏は、こうした国内の動きについて、「海外から投資家が参入するなど非常に良い正常な動きをしている」と述べた。
シカゴ・コーンの強基調は、非常に好調なエタノール生産やそれに対する需要、小麦相場の急騰を背景にしている。小麦高騰は、一大産地であるオーストラリアの不作によるところが大きく、茅野氏は「小麦不作でコーンが飼料用として最後の選択肢として使われることになる」と述べ、シカゴ・コーンは「春先にかけて3ドル50セントまで上昇する」との見通しを述べた。コーンについては他のパネリストも大方強気の見方を示していた。
岩崎氏は「小麦の需給ひっ迫がコーン需給のひっ迫感に移りつつある。小麦発のものがいろいろ伝播しつつある」と述べ、「比価の関連で、小麦に対する行き過ぎ感、大豆に対する割安感でつり合いが崩れている」と語った。
また、エタノール動向については、大本氏は「米産地にエタノール工場建設がものすごい勢いで進んでいる」と述べた。ただ、同氏は「(NY)原油相場の下落で現在エタノールが急落しており、エタノールの採算が悪くなっている。原油が50ドルを割るとエタノール投資は違った話になる。原油相場の動向次第では(エタノール投資は)夢のような話ではなくなってくる」と述べた。
これに対し岩崎氏は、米政府の掲げるエネルギー法でエタノール消費が義務付けられている現状について触れ、エタノール投資は農家所得を潤し、さらに環境問題にも寄与するなどと説明、「必ずしも原油価格との比価の問題にはならないかもしれない」とした。
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