(2007年02月23日)

ブラジルの動向に注目―春季市況特別講演会

東穀協会および東京穀物市況調査会は21日、東京穀物商品取引所で春季市況特別講演会を開催。2部構成により砂糖・コーヒーのパネルディスカションが専門家を交えそれぞれ行われた。各ディズカッションとも最大の生産国であるブラジルの生産動向や需給関係などが焦点となった。また、気になる相場見通しも各パネリストから出された。

■第一部・砂糖相場見通し/西原氏 今年も堅調な値動き/庄司氏 天候相場で高値が/宮本氏 10セント割れ長続きせず

第一部では『ブラジルのエタノール需要動向と砂糖価格への影響』としたテーマで討論が行われた。パネリストは三井物産食料・リテール本部糖質醗酵部粗糖室室長・庄司静雄、伊藤忠商事食料カンパニー食糧部門砂糖・乳製品部砂糖・製菓原料課課長・宮本秀一、パールエース取締役営業本部海外事業部部長・西原治の3氏。

庄司氏はNY砂糖の取組が増えていることについて、市場に透明性が出てきたことに触れ、「受け渡し条件が改善されればコーン以上に取組が増えるのでは」と指摘した。また、西原氏は「26年ぶりの高値がついたことで生産が刺激された」と述べ、「価格の高騰で消費は減ると思われていたが通常通りの消費になるのでは」と予測した。

さらに宮本氏はブラジルについて「NY市場を動かす中心的存在となっていたが、ブラジル一国ではコントロールができないようになってきた」とした。

相場の見通しについて宮本氏は「ポンド当たり10セント割れがそう長く続くとは思われず、上値は12―13セントがいいところか。狭い範囲での激しい値動きになるだろう」と述べた。また庄司氏は「天候などがパーフェクトであれば9―10セントを維持するか。何か大きな問題が起きれば5月以降14―15セントに上昇する可能性もある」と予想。さらに西原氏は「上値は12セント。堅調な相場が今年も期待できるのではないか」との見方を示した。

また、同氏はエタノールの需要動向について、「砂糖とエタノールの比率に注目する。1%変われば60万―70万トンも大きく動き、今後さらにエタノールへ流れる可能性が高い」と述べた。

■第二部・産地の天候動向と影響/渡邊氏 降雨過多を懸念/津賀田氏 エルニーニョ、春先まで

続く第二部『世界のコーヒー需給とブラジルの裏作年』では、今年の産地の天候やその影響、品質状況などについて意見交換が行われた。パネリストは、三菱商事食品本部コーヒーココアユニット総括マネージャー・塩澤博紀、伊藤忠商事飲料原料部コーヒー課課長・渡邊桂三、フィスココモディティー商品リサーチ部アナリスト・津賀田真紀子の3氏。 津賀田氏は、今年の天候について「エルニーニョ現象が春先まで続く」と指摘、その後ラニーニャ現象が起こるとの見通しを示した。

一方、渡邊氏は、現在ブラジルで降雨量が非常に多いことに触れ、「ある程度の雨量は作物にとって好ましいが、多過ぎると悪影響を与える」と述べ、さらに、「湿気があって寒いと害虫が発生しやすい」と語った。

ソーシャルブックマークサービスにこの記事(ページ)を登録
ブックマークに追加する