(2007年12月03日)
「プロ」の認識巡り議論―産構審商取分科会[下]
『ディスクロージャー資料に基づく会員各社の苦情、紛争、訴訟件数』について
◆前回、数字が正確ではないとの指摘
「紛争には、その中身から数字は重複するものがある。平成17年度以降の数字が増えたことは事実。これは、法律改正による規制強化が要因では。会員の中に隠す動きがあったことは事実だが、近年の指導によりコンプライアンス指向が高まり、17年度以降はより正確な数字が表われたと認識する。日商協としては、昨年度からこのようにきちんと取り組み資料を作成していたが、ディスクロージャー資料を有効活用できなかったことについては反省すべき点。今後も、コンプライアンスを徹底し、実態を100%把握できる体制にする。理解して頂きたいのは、数字の変化をどう見るか。近年は、トラブル増加には至っていないのでは」(荒井史男・日本商品先物取引協会会長)
◆トラブルに関して今後の対応
「年度別で見ると、件数に相当のギャップがある。基礎になるデーターが違うと、中身に影響しかねず残念。数字を小さくして発表しようと捉えられても、否定できない。18年度は、恐らく他の業界から見てもトラブルが非常に多い。FXは、ほとんどなくなっており、証券もめっきり減っている。これは、個人がネットで取引をしているためではないか。このように、取引の仕方次第でトラブルを減らすことは可能。法律を改正したにもかかわらず、苦情が増えたことは問題。プロ化した時の委託者保護をよく考えなければ」(石戸谷豊・日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員)
『今後の商品先物市場のあり方』について
◆骨子案にある、論点整理の基本的な考え方について
「2つのことを強く要望したい。1つ目は、プロ市場の方向は否定しないが、『プロ』という言葉が1人歩きしてはいないか。このプロとは何か。前回の分科会で、荒井委員が指摘したように、プロ市場化を進めるにしても、当面は対面営業が中心となる。『プロ市場化等』とだけ書くのではなく、配慮した表現にして頂きたい。2つ目は、『上場商品構成の多様化』とあるが、これも実現するような表現にしてもらいたい」(渡辺好明・東京穀物商品取引所理事長)
◆『プロ』の定義について
「まさに、今の部分は重要である。骨子案の基本的な考え方の部分にある、『商品先物取引の機能、競争力強化(プロ市場化等)、委託者保護』で、まだ意見が一致していないのではと心配する。白地から絵を描くのは無理であり、足元の現実をどこまで肯定的に捉えるかで、随分変わってくる。プロ市場化を打ち出して欲しいのと同時に、1―2年で個人投資家がいなくなることは非現実的であり、この点をどうするか、委託者保護を含めてメインにして欲しい。いつまでも、個人が大切と言って欲しくはない。ETFであれば、個人も間接的に商品市場に入れる。商品はプロ市場化で個人はネット経由と、足元のビジネスはあるが、できるだけ短期的に市場構造を変える必要があるのでは」(池尾和人・慶應義塾大学経済学部教授)
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