(2007年12月12日)
改革の「スピード」で議論―産構審商取分科会(下)
◆プロ市場化
「中間整理でのプロ市場化の部分は、大賛成である。あくまで取引において重層的な市場であり、個人投資家を排除する意味ではないと理解する。米国では、個人の取引量は5%ほどだが口座数は半分を占める。このように、重層かつバラエティに富んで成功しており、日本の成功につながる部分もあると思われる」(多々良實夫・日本商品委託者保護基金理事長)
◆改革巡るスピード
「過去5年間で出来高は半減した。これは由々しき問題であり何とかすべきと、競争力強化の議論がなされた。キーワードとして、グローバルな視点、日本の地位の見直し、そしてスピーディーに改革を進めなければならない。冒頭の渡辺委員の指摘のように、議論は十分なされた。後は、手段を早く決めなければならず、また、色々な論点をどこで具体化するかであり、少しずつ遅れをとったら元も子もない」(堀田健介・モルガン・スタンレー証券最高顧問)
「堀田委員に同感である。国内は、実務レベルが落ちている。再来年に国会で議論しても、実現できるのは2010年である。ビジネスマンからすると、これは遅く感じる。役所や取引所は、出来ることからやって欲しい。スピード感を言うと、3年待つ間に海外は1年でやってくる。危機意識が必要」
「同じく、分科会に入る時にはスピード感がないとお伝えした。商品の多様化などは、やってみなかればわからない。そこで失敗しても、学習してバリューを上げれば良い。大阪証券取引所では、海外でトレードしている人たちに使ってもらえる市場となっている。こうしたことをやらないと」(高井裕之・住友商事理事金融事業本部副本部長ほか)
◆改革巡るスピード(業界側)
「競争力強化に向け、同取引所では24時間化や新システム導入を検討している。遅いと指摘される点はあるかもしれないが、取引所は全力で、出来ることを精一杯やっているつもりである」(南學政明・東京工業品取引所理事長)
「皆様がおっしゃるように、スピード感が重要なポイントではないか。振興協会の立場として意見を述べさせて頂くと、石戸谷先生のおっしゃるように商品市場には歴史がある。その中でも、ここ最近の動きは急なものがあり、各社がおおむね経常収支がマイナスの中、ビジネスモデルなどの変化に対応しようとしている。金融会議とのズレは生じているが、この点をどう埋めていき、また具体的に結果を作るかが1番重要ではないか。将来的には、高水準なマーケットを望む」(加藤雅一・日本商品先物振興協会会長)
◆出来る改革から
「スピード感を持つことが共通の認識であることを嬉しく思うのと同時に、そのプレッシャーも感じる。いたずらに時間をかけるつもりはない。行政としても、このままでは先物の機能がなくなるかもしれないという危機感を持っている」(小山智・経済産業省商務情報政策局商務課長)
「やれるところからやる。その1つに取引所のガバナンスがある。これは、外の声を反映するなどすぐにでもできるのでは」(上村達男・早稲田大学法学学術院長)
「不招請勧誘の明記は評価する。こうした場で専門家の話を伺うと勉強になる。しかし、これを一般の投資家の方はわかっていない。委託者保護を検討して頂けるのはありがたい」(唯根妙子・社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事)
「金融審議会と分科会が別々だが、調整すればETFなどは出来そうである」(石戸谷氏)
「中間整理の文章を眺め、多少の修文を加え中間整理を報告し、今分科会の区切りとする」(行政側)
◆分科会のまとめ
「行政に対し厳しい意見もあったが、そういうものも含めて、委員長と協議し最終的にまとめたい。異口同音にスピード感が言われ、これは議論の重要なキーワードであった。財政諮問会議などとの調整もあるが、スピード感を頭に入れ今後の作業を進め、着実に実現していく」(行政側)
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