(2008年02月15日)

原油高さらに修正も―三菱UFJ原油レポ

三菱UFJリサーチ&コンサルティングがこのほど発表した原油レポートによると、目先は昨年後半からの原油高が、さらに修正される可能性があるとしている。

昨年後半からの原油相場の急騰は、ドル安による原油高との思惑や、原油をリスク回避的投資対象とする見方が強まったことが大きな要因であったと考えられる。そうした中で、実際に原油相場は堅調に推移し、一段と有力な投機対象としてみられるようになり、相場が押し上げられた可能性がある。しかし、足元では、原油相場を取り巻く環境が変化してきている。

(1)製品需給の緩和

石油需要の減退が明確に起こってきているわけではないが、急な価格水準の上昇が石油需要を抑制し始めていると思われる。原油価格の上昇分を石油製品の価格に転嫁することが難しくなっており、精製マージン(石油製品と原油との価格差)が縮小している。急な価格上昇を受けて、徐々に製品需給が緩まっていることを示唆していると考えられる。

(2)代替エネルギー安

足元では中国の大雪の影響で石炭価格が上昇しているものの、これまで原油相場が急騰する中で、石炭や天然ガスの価格上昇は相対的に小幅にとどまってきた。このため足元では、価格面から石油から天然ガスや石炭への代替が促進されやすくなっていると考えられる。

(3)産油国の生産の回復

昨年後半までは、2006年以降のOPEC減産により原油の需給が引き締まり気味に推移してきた。足元でも、OPECは生産枠の引き上げには慎重な姿勢を続けているが、イラクやイランの生産に回復傾向がみられるようになっており、テロ組織の攻撃により大幅に落ち込んでいるナイジェリアの原油生産も今後復旧してくる可能性がある。また、一部の産油国には、供給を抑制して原油価格が急騰すると、構造的な石油離れにつながることへの警戒感も出てきている。

中長期的な視点からインフレリスクを回避するための投資先として原油に注目する見方は続く可能性はあるが、ドル下落のリスクを回避するための投資先としての魅力は薄れてきているように思われる。また、足元では、昨年後半に低迷が続いた銅やアルミニウムなどの相場に調整一巡感が出始めていることも、コモディティ市場の中での原油への関心を弱める材料になっていると考えられる。

足元の情勢から判断すると、投機筋の買い越しポジションが解消されると、相場は5―10ドル程度押し下げられるとみられる。原油相場(WTI)は、一時的に80ドル前後まで下落する可能性がある、とした。

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