(2008年04月04日)

海外先物取引巡り議論―産構審商取分科会【下】

◆東工取の2時間延長の効果

「2点質問させて頂きたい。1つは(東工取の)2時間延長によりコスト面など、現状はどうなっているのか。また、中島委員に銀行業界としての意見を伺いたい」(家森信善・名古屋大学大学院経済学研究科教授)

「2時間延長により出来高は2―3割増え、確実に拡大していると認識して頂きたい。これは、世界の為替の変動やロンドンとの裁定取引ができたためであろう。コスト面は、勤務時間の延長などは対応しなければならないが、手数料が増えありがたいとの声もあった。そういう意味では成功かなともいえる」(南學政明・東京工業品取引所理事長)

「海外、国内のどちらの資金で出来高が増えたのか」(家森氏)

「それはわからない」(南學氏)

「金融の立場として、銀行が一般(アマ)の人に対し金融商品を売ることを考えると厳しい。銀行や証券などのプロとアマとではレベルの差があり過ぎる。これは、ぜひ頭に入れておいて欲しい」(中島敬雄・みずほコーポレート銀行常務執行役員)

「東工取の取引時間延長は、デリバティブ市場、特に金属に波及効果がある。早出のロンドンやスイスのトレーダーが、アジア市場を見てトレードするなど、世界の市場での空白時間がなくなったことで、流動性が高まった。こうした、東工取のみならずデリバティブにまで効果が波及したことは非常に大きい」(高井裕之・住友商事理事金融事業本部副本部長)

◆海外先物でのトラブル

「委託者トラブルに関しては、商品では20年以上も実務家としてやってきた。中間整理では、わが国は海外と異なり個人投資家が中心とあるが、わが国の個人投資家と海外との割合を教えて頂きたい。また、取引所間での個人の損失はどれくらいなのか」(津谷裕貴・日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員)

「正確なものはないが、振興協会のまとめでは4割弱が個人投資家であり、対面では20%超である」(小山智・経済産業省商務情報政策局商務課長)

「必要であれば、資料の提出は可能である」(加藤雅一・日本商品先物振興協会会長)

「海外は、個人の口座は多いが取引量は少ない」(多々良實夫・日本商品委託者保護基金理事長)

「現状は参考にさせて頂く。ロコ・ロンドン取引自体は適切なものであり誤ったイメージがある。法を見直すことも視野に入れる」(行政側)

◆海外先物取引を規制する意見

「基本的には賛成である。海外の先物取引所の出来高は増加している。ここ18カ月は、株や金利は下落した。これによりアセットクラスの商品が浸透した。しっかりした規制でクリーンで透明にして欲しい。外為の規制の時も反対は多かった。ただ、最終的には良い形が残りプロダクトが伸びたとの感想を持っている」(久野氏)

「海外先物で日本の一般人が迷い込み損をしているため、規制するのは当然だ。ロコ・ロンドンは、トレーダーが毎日活発に使っているまっとうな市場である。個人規制によって、プロにまで規制がないようにはして頂きたい」(高井氏)

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