(2008年05月02日)

オカラでエタノール生産―静岡油化工業

静岡油化工業(静岡市駿河区・長島磯五郎社長)は、廃油業として鉱物廃油と天ぷら廃油を集めリサイクル・バイオディーゼル燃料事業を営んでいる。バイオ燃料を製造して6年目になるが、今年に入りオカラなどを原料にエタノール製造するという画期的な取り組みをスタートさせている。

オカラに関する事業としては、今年78歳の長島社長が、オカラが産業廃棄物として焼却処理されていたことに着目したことから始まる。「物資のない戦争中を生きてきたから、一番最初オカラが産業廃棄物になるのはもったいない話だと思った。われわれはこれをタンパク源に育ってきた。何とかこの産業廃棄物をものにしようと思った」という。

その後、同社はオカラを集め乾燥し飼料や肥料を製造販売するという事業を1986年にスタート。94年4月に静岡県豆腐油揚商工組合のオカラ処理指定工場となり、現在1日約70トンの生オカラを収集運搬して、乾燥させたオカラ製品を生産している。

さらに、同社は2003年、植物廃油再生機を導入し、ディーゼルエンジンの燃料化に成功。以後、バイオディーゼルの製造に着手している。

こうした過程を経て、07年10月には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「新エネルギー支援事業」の中で、オカラなどを原料とするバイオエタノール製造とE3(エタノール3%混合のガソリン)実証化事業が採択され、現在に至っている。今年2月末にプラントが完成。5日間の製造工程で100リットルのエタノールを抽出していくことを繰り返す、といったテスト稼動を行っている。

米国で生産されるエタノールの原料はコーンという「食料」。米国でエタノール需要が旺盛なこともあり、指標のシカゴ・コーン相場は高騰している。一方、年間約80万―100万トンも排出されるといわれるオカラなどの産業廃棄物を燃料に使えば食料価格の高騰に影響を与えることはなくなり、さらに環境にも優しい。こうした発想と、コスト「ゼロ」の原料を利用するといった合理性は、今後ますます注目されそうだ。

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