(2008年05月22日)

向こう6ヵ月は1775―2500ドル―プラチナ価格

ジョンソン・マッセイ(JM)社(本社・英国ロンドン)は19日、プラチナ市場に関する報告書「プラチナ2008」を発表した【既報】。以下はその骨子。

■07年のプラチナ市場は14・9トンの供給不足に

07年のプラチナ市場は14・9トンの供給不足だった。南アフリカの鉱山の生産中断により、世界市場へのプラチナの供給量が減少し、203・7トンとなった。プラチナ需要は、自動車触媒や産業セクターの購入量の拡大を受けて前年比8・6%増の218・6トンだった。その結果、プラチナ価格は35%上昇し、市場最高値を更新し続けた。価格高騰を受けて、宝飾品需要は微減となった。

■自動車触媒用購入量が過去最高へ

世界の自動車触媒セクターでのプラチナの購入量は前年比8・2%増の131・4トンだった。欧州や日本、北米で製造された、排気ガス規制に対応したプラチナベースの排ガス処理システムを搭載したディーゼル車の数は引き続き増大し、一部のガソリン車やディーゼル車向けに進んできたプラチナの代用としてのパラジウムの導入による影響を相殺して余りあるものとなった。

■プラチナ価格は引き続き流動的

南アフリカ全土で見られる電力不足や、08年初頭の洪水によるアマンデルブルト鉱山の臨時閉鎖は、今年の南アフリカのプラチナ生産量に影響を及ぼすと予想される。

産業用需要や自動車触媒用需要が引き続き堅調に推移すると予想される一方、供給が期待を下回ると予想されることから、08年は大幅な供給不足となろう。世界経済の減速や米ドル高となれば、プラチナ価格は弱含みとなろうが、向こう6カ月間は不安定な値動きが続くだろう。JM社は、向こう6カ月間のプラチナ価格は1775ドルと2500ドルの間という大幅変動圏内を移動するものと予想している。

■パラジウム市場はファンダメンタルズ的要因により07年も大幅な供給過多に

07年のパラジウム市場は55・0トンの供給過多だった。自動車触媒、エレクトロニクス、投資部門による購入量が拡大したことを受けて、需要は前年比3・5%増の212・6トンとなった。生産量は前年並みだったが、ロシアが国家在庫を大量に取り崩して売却したため、総供給量は267・6トンとなった。

■ディーゼル車やガソリン車用触媒に使用されるパラジウムの量が拡大

自動車触媒用需要は前年比10・8%増の138・4トンだった。中国をはじめ、世界各国の自動車生産台数が拡大していることを受けて、自動車メーカーによるパラジウムの購入量が増大した。自動車メーカーは典型的なガソリン車用自動車触媒に使われているプラチナを全面的にパラジウムへ変更することや、ディーゼルエンジン用触媒の一部に関してプラチナのパラジウムへの代用を進めている。

■パラジウム価格はプラチナ価格とゴールド価格に連動

パラジウム価格は07年に11%上昇し、個人投資家や機関投資家の強い関心を集めた。08年も再び供給過多が予想されることから、投資家の関心が引き続き価格動向を左右する重要な要因となろう。プラチナとゴールドの価格が上昇すれば、パラジウムは向こう6カ月間に575ドルまで上昇する可能性もある。

だがプラチナやゴールドをはじめとするコモディティの大量売りがあれば、価格は下落しよう。JM社は、向こう6カ月間に400ドル割れはないと予想している。

ソーシャルブックマークサービスにこの記事(ページ)を登録
ブックマークに追加する