(2009年09月30日)

中部大阪・金、来月始動 市場活性化の起爆剤に

中部大阪商品取引所は10月13日に金の試験上場を開始する。低迷する市場の活性化の切り札として、同取引所が今年最大の取り組み課題に挙げてきただけに集まる期待は大きい。東京工業品取引所に上場されている金(標準)、金ミニとは取引仕法、取引単位などで商品設計の差別化が明白で、市場関係者は取引活性化の一助として注目している。

■出来高減に歯止めかける狙い

中部商品取引所は、大阪商品取引所と合併前の2003年当時、世界全体の商品取引所では第8位の出来高を有していた。ただ、翌04年の3319万枚をピークに出来高は右肩下がりに転じ、合併後の08年(暦年)には327万枚と10分の1以下まで落ち込んだ。商品先物の勧誘規制強化に伴う流動性低下が市場人気の離散へとつながるという負のスパイラルから抜け出せない状況のなか、世界的な投資人気を誇る金の上場に動いた形だ。

中部大阪取が3月の定例記者会見で発表した09年度の年間出来高見込みは486万枚で、08年度の258万枚からのV字回復をめざしている。その原動力と目されているのが金の新規上場。同商品の1日平均出来高を既存商品(石油、鶏卵、ゴム)の2倍に当たる2万枚と想定することで、金が上場される年度後半にかけての出来高急増を見越す。低迷が続く市場にとっての特効薬ともいえそうだ。

■板寄せにメリット

東工取・金との商品設計には明確な差異が見られる(図表参照)。とくに、業界内では板寄せ取引のメリットを指摘する声が聞かれる。「東工取でも以前、(金は)板寄せでやっていた。そういう点で、商品取引員の目線からすると(顧客に)勧めやすい。そういった(古い顧客層からの)ニーズはあるのではないか」(外資系銀行)。

また、実際に取引員サイドからも「取引員会社のいくつかは、中部大阪金を前面に押し出して営業するつもりのようだ」(大手取引員)との話も聞かれる。証拠金倍率(レバレッジ)の面でも、16倍(金価格が3000円の場合)と低めに設定されており、リスク許容度の低い一般投資家にとっても取り組みやすい商品といえるだろう。

取引所サイドからは、500グラムという取引単位に関して「小口の当業者にとって使い勝手が良いのでは」(サービス・企画部)として、産業インフラという側面からのメリットを強調する声も聞かれた。事実、中部大阪金の会員には新規会員として当業者の参入も散見される。また、東工取との値差を狙った裁定取引にも期待を寄せているという。

■「パイの奪い合い」に危ぐ

中部大阪金の市場人気が盛り上がる基準としては、「1万枚が目安。万枚単位なら、参加したい」(前述の外資系銀行)といった意見も出ている。一方で「東工取とのパイの奪い合いという形にはならないでほしい」と、国内市場全体の出来高が伸び悩むなか、東京市場から中部大阪市場へと流動性が分散されるだけといった事態は避けたいようだ。

中部大阪の金が、沈滞気味の国内商品先物市場を賦活する起爆剤となるかどうか――上場を2週間後に控えて、各関係者は期待と不安の入り交じった眼差しで見守っている。


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