(2009年11月12日)

商品先物市場戦略統合委 スパン導入へ前向き

日本商品先物振興協会の常設委員会である市場戦略統合委員会はこのほど、3回目となる委員会を開き、日本商品清算機構(JCCH)から示された新証拠金制度のスパン試案について、「1、2回目とは前進の度合いが違う」(多々良實夫委員長)と導入へ前向きな結論を出す意向を示した。ただ、クリアすべき課題は多く、時間がかかる可能性も強まっている。

第1、2回の市場戦略統合委員会では、スパン証拠金制度の導入について委員から反対意見が多かった。スパン導入は事実上の証拠金引き上げになるため、市場の流動性が低下するなかでは「ますますなくなる(流動性が低下する)のではないか」(多々良委員長)との懸念があった。

ただ、2008年の産業構造審議会商品取引所分科会や、国際的にはスパンが潮流になっていることを踏まえ、第3回では前向きに取り組む必要があるとの考えに傾いた。導入への最低条件は「高額な証拠金になって市場の流動性を壊すようなことがない形」。スパン証拠金カバー率を引き下げたケースも検討したいとする。

ほかにもスパンへの条件が示された。スパンが導入されれば、証拠金が大幅に下がるメリットを受けるスプレッド取引も、現在は同一商品、同一限月の売りと買い玉を建てる両建ては勧誘を禁止されている。そのため「(両建てが)スプレッド取引としてきちんと認めてもらえる」制度が必要になる。

また、東京工業品取引所と中部大阪商品取引所では、同じ商品である金や石油が上場されているが、現状ではスプレッドが行えない。こうした点が改善されなければ、スパンは導入したものの、流動性向上へ機能しないということにもなりかねない。

一方、不透明なコスト見通しも懸念材料として残っている。ロスカット取引の導入、東工取の立ち会い時間延長と初めてのロールオーバー方式となる指数取引開始などは、スパン以外にも商品先物取引会社のシステム改修を要するもの。「一度にやったほうが良いといった意見は根強い」ため、増すコスト負担により業界再編が加速する可能性もある。

今回の第3回を踏まえ、16日の理事会にはかる。25日の第4回市場戦略統合委員会では細部を検討する。


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