(2009年11月18日)

東工取アルミ、立会い休止

東京工業品取引所(江崎格社長)は17日、アルミニウム(新地金)の立ち会いを休止し、実質的に上場廃止すると発表した。国内でのアルミ立ち会い休止は、中部大阪商品取引所に続くもの。アルミ取引量は近年、極端に扱いが細り、流動性がほとんどない状態で推移。市場価格形成の役割が事実上失われていることに加え、昨年末に東工取が株式会社化して採算性重視の立場を示していることから、立ち会い休止に至ったものとみられる。アルミ業界の多くが反対し、それを押し切る形で始まったアルミ上場は、約13年の歳月を経て実質的に幕を閉じる形となる。

アルミニウムの先物取引はこれまで、ロンドン金属取引所(LME)での扱いが圧倒的なシェアを確保。これに対し日本は国内のアルミ製錬事業から撤退後、新地金の世界的消費大国として存在感を高めていた。こうした市場環境の中、商品業界を中心に日本も独自のアルミ価格形成能力を持つべきだとして、国内でのアルミ上場構想が浮上した。これに対し直接の当事者であるアルミメーカー各社は、一部を除きほとんどが反対の意向を表明。その理由としては、「LMEで先物機能が十分果たされており、(LMEの)写真相場になるだけ」との意見や「国内と海外(LME)で値差が生じれば、二重価格となってユーザーが混乱する」などと指摘していた。業界の反対姿勢は強かったが、紆余(うよ)曲折を経て1997年4月、アルミ上場(試験上場)にこぎつけ、2000年4月に本上場が認可された。

上場当初は一定の取引量が維持されたものの、LMEの優位は動かず、扱いは縮小傾向で推移。東工取では市場振興に向け、各種セミナー開催や受渡制度および取引単位の変更など、さまざまな施策を行ってきた。ただその後もアルミ業界の参加者は広がらず、ここ最近は出来高がほとんどない状態だった。このため立ち会いが休止されても、アルミ業界に与えるインパクトはほとんどないとみられる。東工取では、将来的な銅をはじめとする非鉄金属商品の上場を見据え、アルミ取引再開の可能性について含みを持たせた。しかし90年代に大問題に発展したアルミ上場が事実上終えんを迎えることは、業界にとって大きな歴史的節目を迎えたといえるだろう。


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