(2008年04月21日)

銅は「時限爆弾」抱えながら短期調整入り

銅の国際価格はニューヨーク商品取引所(COMEX、当限)ベースでポンド400kの大台を目前にして足踏み状態が続いている。先週は原油先物が連日のように最高値を更新、銅市場にも投機資金の流入期待が高かったが、結局06年5月に記録した407kの過去最高値奪回には至らなかった。

2週連続で高値更新に失敗したCOMEX銅は、ケイ線上の405k前後の上値の重さがますます意識されるようになる。先週予想したように、これで短期的な調整の可能性が一段と高まったのだが、非鉄市場に精通した一部の市場関係者は、「今は嵐の前の静けさ」と分析する。ヘッジファンドの大量の売りポジションが先物市場に積み上がっており、これが今後の波乱要因になるという。

歴史は繰り返すのか。

05年11月、国際指標のロンドン金属取引所(LME)の銅取引で、中国国家備蓄局のトレーダーが大量の売りポジションを抱えていることが明らかになった。海外メディアなどによると、トレーダーは同年夏に銅価下落を見越して大量の先物売りを出していたようだ。

しかし予想に反して銅価は堅調に推移したことから、含み損を抱えたままの中国の売りポジションが投機筋に狙われ、夏から12月にかけて銅価は30%近く上昇、06年5月の最高値へ向けて弾みをつけてしまった。

投機資金の商品市場への流入増や新興国の需要増に対して供給が伸び悩む現在の需給を考えると、高値更新に失敗した銅価はいったん調整して足元を固めてから再び過去最高値を試す展開が考えられる。しかし、指摘される売りポジションが、どのタイミングで狙われるのか。現在の銅相場はまさに「時限爆弾」を抱えている状況だ。



プロフィール
増田 正則(ますだ まさのり)

株式会社産業新聞社所属
非鉄金属担当 記者