
レアメタル上場で取引価格が明確に
非鉄金属の中でも最近とくに注目を集めているのがレアメタル。鉄鋼や自動車、家電など日本の基幹産業には欠かせない金属なのだが、そもそも「レアメタルとは何か?」。鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、鉛などを除く約40種類ほどの鉱種がレアメタルに該当するが、明確な定義はない。(1)資源が偏在している(2)抽出が困難(3)年産100万d未満といった基準もあるようだが、意見を集約するとニッケル、錫、金、銀、白金、パラジウムあたりをレアメタルに分類するかどうかという議論に辿り着く。 ここで提案したいのが「上場」と「未上場」による分類。ロンドン金属取引所(LME)で取引されるニッケルと錫、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金、銀、白金、パラジウムには、レアメタルという概念はあえて適用しない。 日本のレアメタル政策は(1)中国以外の供給ソースの開拓(2)廃電子機器類などのリサイクルの推進(3)海外資源開発などの課題に取り組んでいる。しかし、「上場品目」と「未上場品目」に分類することで、新たな課題が見えてくる。 上場品目は取引所を介するため、取引価格が「目に見える」。さらに取引所の活用による価格変動リスクもヘッジできる。対する未上場品目は「目に見えない」ところで価格が決まりヘッジ機能もない。つまりレアメタル取引において、需要家は一部のトレーダーの思惑による価格の急騰急落に対処する方策がないことも、大きな課題ではないか。 LMEでは今、レアメタルの中でもコバルトの上場を検討しているという。市場規模が小さいレアメタルの上場は、新たな投機資金の流入が価格高騰につながる危険性をはらむ。しかし、上場により取引価格が明確になり、需要家がリスクヘッジできることは、大きなメリットである。| プロフィール |
増田 正則(ますだ まさのり)株式会社産業新聞社所属 非鉄金属担当 記者 |








