
8000ドル台でこう着する銅価格、供給要因が下支え
信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を背景に、米国では住宅関連の銅需要が冷え込んでいる。最近では欧州でも建設関連からの引き合いが減少しているほか、日本でも改正建築基準法の施行により建設関連の需要が不振だ。頼みの綱である中国経済は引き続き高い成長が期待できるが、銅の需要については、価格高騰を嫌気した需要家の買い控えなどが指摘されている。 需要が弱含んでいるにもかかわらず、現在の銅価は比較的堅調に推移している。先週後半は米国株式市場の下落などを背景にトン8300ドル(ポンド換算では約375k)近辺まで売られたものの、現在の需要環境を考えると8000ドル台はやはり高すぎる。しかし、価格を支えている要因の一つに供給サイドの問題が絡んでいるため、銅価は強弱材料が交錯し8000ドル台で方向感を見出せないままこう着感を強めてしまっている。 供給サイドの問題とは銅品位の低下である。鉱山で採掘する鉱石の銅品位は一般的には1―2%前後。鉱山現場では主に鉱石の品位を30%程度に濃縮した精鉱という形状にして、日本や中国などの銅製錬所に供給している。製錬所ではこの精鉱を原料にして地金を生産するのだが、最近は品位1%未満の鉱石が増えており、それに伴って精鉱品位も低下。これが地金生産を圧迫している。 たとえば品位30%の銅精鉱100万dからは、単純計算すると銅地金を30万d生産できる。しかし品位が25%に低下すると、地金生産は25万dに減ることになる。その具体的な例が銅製錬大手の住友金属鉱山。08年度の生産計画では品位低下を理由に前年から10%近く減産する。鉱山、製錬所など世界の銅生産現場では品位低下への対応が大きな課題になっている。| プロフィール |
増田 正則(ますだ まさのり)株式会社産業新聞社所属 非鉄金属担当 記者 |








