
二極化する非鉄金属/亜鉛、鉛、ニッケルは実需相場へ
非鉄金属相場の二極化が鮮明になっている。投機資金が相場を支えている銅と錫は過去最高値圏で推移、アルミも2年ぶりの水準で高止まりしている。一方で06年から07年にかけて過去最高値を記録した亜鉛、鉛、ニッケルからは投機資金が離れ、高値から亜鉛は54%、鉛50%、ニッケル57%下落している。 米住宅ローン問題や改正建築基準法の影響などで米、欧、日の非鉄需要は低迷している。ただし、急速な経済成長が続く新興国の需要はおう盛で、銅、亜鉛・鉛、ニッケルの各国際研究会の08年の需要はいずれも増加する見通しだ。 需要が好調ということは、供給サイドに二極化の原因の一つがあると考えられる。 まずは銅。「売り」と「買い」のヘッジファンド両陣営の勝負という内部要因を除くと、たとえば世界最大の産銅国チリでは、鉱山の鉱石品位の低下で銅生産量が伸び悩んでいる。さらに電力問題もクローズアップされつつある。電力問題では南アフリカのアルミ生産への懸念が強い。錫はインドネシアの供給減少要因がある。 一方の亜鉛。資源開発が進み4年間続いた供給不足が08年は供給余剰に転じる見通しになったため、06年11月の過去最高値以降は調整色を強めている(現段階では中国・四川大地震の影響は軽微との見方が支配的)。 鉛は北半球で不需要期に入ったという理由もあるが、南米などの資源供給量の増加も無視できない。ニッケルはロンドン金属取引所の在庫が過去最高値を記録した1年前の10倍に増えており、ヘッジファンドにとってはすでに鉛、亜鉛、ニッケルは投機対象としての魅力が薄れている。 ただし、投機資金が離れたということは、裏を返せば実需を反映した相場が形成されることになる。ヘッジファンドに魅力がなくても、非鉄金属を使う需要家には魅力的な相場になるのではないか。| プロフィール |
増田 正則(ますだ まさのり)株式会社産業新聞社所属 非鉄金属担当 記者 |








