
調整強める非鉄相場 銅は下値抵抗帯割れ
非鉄金属相場が調整色を強めている。需給が緩和傾向にある鉛、亜鉛、ニッケルは06、07年に記録した過去最高値から半値以下の水準まで先行して下げていた。一方で銅、アルミ、錫は供給への懸念から投機資金が流入し高止まりしていたが、先週末の段階で銅とアルミが年初来高値から10%下落、錫も20%下げており、潮目が変わりつつあるようだ。 とくに代表銘柄の銅をみると、これまでは07年5月、7月、10月の高値を結んだポンド370―375k(トン換算で8150―8250ドル)付近が下値抵抗帯として機能していたが、先週後半にこの水準を割り込んできたことから、テクニカル面での弱さもクローズアップされる状況になった。 加えてファンダメンタルズが悪化している。日、米、欧の先進国ではサブプライムローン問題や改正建築基準法の影響などにより住宅・建設関連の需要が振るわない。欧州では地金プレミアムが上昇傾向にあるが、これは中南米産の地金不足という供給サイドの要因。けん引役の中国でも内需は引き続き堅調だが、米国向けの銅管輸出などが減少しているもよう。国内銅製錬メーカーによると、「中国からの引き合いが全くない」という。 ストライキや鉱石品位の低下、電力・水不足などによる中南米での不安定な生産といった供給懸念は残る。しかし、これらの材料はすでに相場に織り込まれている。鉱山の大規模な操業停止など突発的な材料でもない限り、今まで以上の投機資金の流入は期待できないだろう。 季節的な要因もある。今月は7、8月の夏期休暇シーズンを控えていることもあり、全体的に消費は盛り上がりにくい。さらに金融市場の混乱が収まり投機資金が株式やドルに回帰する傾向がみられる。ヘッジファンドにしても新規材料がなければ、積極的に資金を非鉄に振り向けることはないだろう。| プロフィール |
増田 正則(ますだ まさのり)株式会社産業新聞社所属 非鉄金属担当 記者 |








