(2008年06月23日)

銅品位低下で二次原料比率拡大

鉱石中の銅品位の低下が銅地金生産に悪影響を及ぼしている。住友金属鉱山の東予工場では、鉱石品位の低下を理由に今年度の銅地金生産を前年度比10%以上減産する計画。日鉱金属と三井金属が共同出資する国内最大手のパンパシフィック・カッパー(PPC)でも、佐賀関製錬所と玉野製錬所の生産を押し下げている。ただ、PPCは二次原料比率を拡大することで品位低下による減産を緩和しており、銅製錬所にとっては二次原料の重要性が高まっている。

銅鉱石は鉱山現場で採掘した銅品位1―2%程度の「粗鉱」を、銅品位30―40%に濃縮した「精鉱」という形状で銅製錬所に運ばれる。しかし、最近は鉱山の深度化などにより粗鉱品位が1%未満に低下、それに伴って精鉱品位も30%未満に下がっている。

たとえば精鉱品位30%で銅地金を年45万d生産する場合、精鉱量は150万d必要になる。しかし品位が28%に下がれば、精鉱量を160万dに増やして45万dを維持するか、精鉱量150万dのままで銅地金を42万dに減産しなければならない。中国やインドなどの精鉱需要の増加で精鉱価格が高騰している環境下では、精鉱量の増加は製錬所の収益を一段と悪化させる。

そこで、製錬所では銅品位が低い銅スクラップや銅さい、粗銅(アノード)の使用量を増やすことで、原料問題を解決しようとしている。PPCの二次原料比率は2年前には10%強だったが、足元では20%に増やしているという。このため、今年度上期の減産幅も1%にとどめることができた。

しかし、最近では中国も二次原料比率を拡大させている。スクラップでも鉱石と同様に重要な「資源」ととらえており、05年に26%だった二次原料比率は07年に32%に上昇している。鉱石の争奪戦に加え、二次原料の争奪戦がいつ起きても不思議ではない。



プロフィール
増田 正則(ますだ まさのり)

株式会社産業新聞社所属
非鉄金属担当 記者