(2008年07月14日)

アルミ先物が2年ぶりに高値更新、新規材料なしで上値追い困難

非鉄金属の国際価格が2006年以降、相次いで過去最高値を記録している。06年5月の銅8788ドルを皮切りに、11月の亜鉛4619ドル、07年5月のニッケル5万4200ドル、11月の鉛3980ドル、08年5月の錫2万5500ドル。そして4月には再び銅が2年ぶりの新高値を更新している。しかし、銅と錫を除くと、すでに亜鉛、鉛、ニッケルが高値から半値以下の水準まで修正されており、これらの金属に関しては、歴史的な大相場は終焉を迎えたと言えそうだ。

こうした中、先週はアルミの3カ月先物が06年5月以来2年2ヶ月ぶりに高値を更新した。背景にあるのが中国の電力不足による減産だ。もともと電力不足で南アフリカやニュージーランドの減産で需給が引き締まる傾向にあったところに、中国アルミが年産28万d規模の精錬工場の停止を発表。投機熱に一気に火がついた。

現地7日のロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物は3320ドルをつけ、2年2ヶ月ぶりに新高値を記録。さらに現地10日には3350ドル台に続伸することになった。米センチュリー・アルミが04、05年にスイスのグレンコアと結んでいた長期間の先渡し契約を解消。これに伴って大量の買戻しを行ったことも相場急騰の要因になった。そして中国の主要アルミメーカー20社が協調減産を決定したことも材料視された。

注目は今後の動向。センチュリーアルミは17億ドルもの巨額費用を支払ってまで契約を解除したもようで、このことから判断すると、同社は今後のアルミ相場がさらに上昇するとみているようだ。ただ、世界経済の減速感が強まる中、足元では実需面の支援が乏しい。当面はエネルギー高で生産コストが上昇する中、3000ドルが心理的な下値抵抗線として機能しそうだが、中国の減産が相場に織り込まれてしまえば、新規材料なしで上値追いは難しいと考える。



プロフィール
増田 正則(ますだ まさのり)

株式会社産業新聞社所属
非鉄金属担当 記者