
亜鉛鉱山の採算悪化、資源開発進み供給増で
中国やインドなど新興国の経済成長に伴う需要増を背景に、世界の資源産業が開発に沸いている。資源といっても原油、石炭、天然ガス、鉄鉱石、銅、鉛・亜鉛、レアメタルなど様々だが、資源と名がつくものは世界中のいたるところで開発されている。 例えばレアメタルのインジウムなどは、一時5、6年前の10倍にまで高騰。現在は需要家の買い控えから価格は下がっているが、それでも過去の安値から5、6倍の水準。ほかの資源も軒並み数年前の安値から数倍になっており、資源価格の高騰の恩恵を受けようと、資源国、あるいは資源メジャーなどが競うように開発競争に精を出すのは仕方がないことではある。 ただ、資源開発が進めば当然のことながら供給量が増える。世界が必要とする数量(需要の伸び)以上に供給が増えれば、需給バランスが崩れ、高騰していた価格が一転して下げに転じるのは当り前のことである。 現在の資源高がしばらく続くとみて、そこで操業コストを通常より高く、甘く見積もっていた鉱山は採算悪化に直面する。 亜鉛大手の加テック・コミンコとスイスのエクストラータの合弁事業、豪レナード・シェルフ亜鉛・鉛鉱山の操業停止がその代表例。もともとの操業計画が5年と短期間ではあったのだが、本格操業を再開してから僅か1年半という前倒しでの閉山発表だった。 06年11月にトン4619jの過去最高値をつけた亜鉛価格は現在、半値以下に下落している。さらに豪ドルの上昇なども操業を圧迫することになった。世界の亜鉛需給は04―06年まで供給不足だったが、価格高騰で資源開発が進み、レナード・シェルフ鉱山のような休止鉱山の再開の動きも加わり、08年は供給余剰になる見通し。 テック・コミンコのレッド・ドッグ亜鉛鉱山は1―6月期の営業利益が前年同期比で半減した。価格が下落する一方で、資源国通貨やエネルギーコストの上昇などで、亜鉛鉱山の採算は急速に悪化している。| プロフィール |
増田 正則(ますだ まさのり)株式会社産業新聞社所属 非鉄金属担当 記者 |








