(2008年08月18日)

非鉄製錬8社の4―6月期は15%減益、銅買鉱条件悪化、市況悪化など響く

 委託製錬を含めた大手非鉄製錬会社8社(新日鉱HD、三菱マテリアル、住友金属鉱山、三井金属、DOWAHD、古河機械金属、東邦亜鉛、日鉄鉱業)の2008年4―6月期決算が先週12日までに出揃った。新日鉱と三井金属以外は経常段階で6社が減益となり、8社合計の経常利益も1529億円と、前年同期の1794億から15%減少した。

 さらに経常段階で増益を確保した新日鉱だが、石油部門のジャパンエナジーの増益が寄与しており、金属部門の日鉱金属の経常利益は240億円と前年同期比19%減少した。新日鉱は今期からセグメント別の業績公開を中止したため詳細は分からないが、主力の資源・金属事業が、銅買鉱条件の悪化で落ち込んだもようだ。

 4―6月期業績でとくに減益幅が大きかったのが住友金属鉱山。経常利益は494億円で30%減った。銅買鉱条件の悪化もあるが、ニッケル市況の大幅な落ち込みが響いた。ロンドン金属取引所(LME)のニッケル現物相場(セツルメント)はこの1年間で半値水準になった。価格の下落=需要低迷ということで、最大用途のステンレス向けの販売数量の落ち込みも影響した。

 亜鉛や鉛の資源・製錬事業も市況下落が響いた。経常増益だった三井金属も、鉱山・基礎素材部門は36%の営業減益。DOWAの製錬部門も銅買鉱条件の悪化や、亜鉛と副産物のインジウムの価格下落により減益。東邦亜鉛の製錬事業も、営業利益が63%減と大幅な落ち込みだった。

 銅買鉱条件の悪化は来年半ばから改善する兆しを見せているが、あくまでも「兆し」に過ぎない。まして銅だけでは採算割れの状況にあるため、若干の条件改善だけでは収益への貢献は期待薄だ。さらにニッケル、亜鉛、鉛も需給緩和で市況反転のきっかけが見当たらない。非鉄製錬会社にとっては厳しい事業環境が今後も続きそうだ。



プロフィール
増田 正則(ますだ まさのり)

株式会社産業新聞社所属
非鉄金属担当 記者