(2009年11月24日)

資源大国カナダ、三位一体で資源開発

※詳細は日刊産業新聞に掲載した「資源大国カナダ編」(全8回)をご覧下さい。

カナダは世界のニッケル鉱山生産量の17%(2位)、銅の4%(6位)、亜鉛の6%(3位)を占める資源大国。貴金属、モリブデン、タングステン、レアアースといったレアメタルの埋蔵資源にも恵まれている。とくに最大都市トロントを有するオンタリオ州は同国鉱業の中心で世界の鉱業金融の中心地でもある。10月18日から1週間、同州政府の招きで現地を訪れカナダ鉱業の現状を取材した。

オンタリオ州北東部の中心にあるティミンズ市は、昨年来の経済不況下でも好景気に沸いている。

金融危機の影響であらゆる資源価格が歴史的な暴落を演じたが、金だけはオンス800ドル以上の高値を維持することができた。足元では1100ドルを突破し過去最高値の更新が続いている。

そして、金属資源に恵まれたオンタリオ州の中でも、金の生産はティミンズ市に集中。価格上昇を理由に金鉱山の開発機運が盛り上がっている。

ティミンズの約300?`南に広がるサドベリー盆地。この地域では世界的な資源メジャーがニッケルや銅などを生産している。ティミンズが金生産の中心なら、ここにはベースメタルの生産が集中している。ただし、この町はまだ資源急落による不況から立ち直っていない。

サドベリー市内に本社工場を構える鉱山向け重機販売のトラック・アンド・ウィールズ社は、「経済不況の影響でかなり在庫を抱えている」と話す。

それでも金属価格が金融危機直前の水準まで回復したことで、鉱業関連企業の勢いも徐々に戻ってきた。「ジュニア」と呼ばれる中小規模の探鉱会社の株価が戻り歩調にある。一時は冷え込んだ探鉱機運も盛り上がりつつあるようだ。

資源大国カナダを支えているのは豊富な埋蔵資源ばかりではない。トロント証券取引所には、初期の探鉱を含めた小さな資源会社から国際的な資源会社まで1100社以上が上場。資金に乏しいジュニア企業の資金調達の場となっている。

システムを含めた鉱山設備などのサービスを提供する企業も充実。効率的な資源開発や探査を行う研究や人材育成を行う非営利企業なども深く関わっている。資源会社、サービス提供会社、研究機関など、こうした三位一体の取り組みの上に資源大国カナダの鉱業界は成り立っている。



プロフィール
増田 正則(ますだ まさのり)

株式会社産業新聞社所属
非鉄金属担当 記者

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