(2009年12月08日)

加サドベリー、市全域で鉱業クラスターを形成

ティミンズの南約300キロのところに広がるサドベリー盆地。隕石の衝突により約20億年前に形成されたここの地層には、ニッケルや銅といったベースメタルから、白金、パラジウム、金などの資源が豊富に存在する。

このためサドベリー市は100年以上も前から鉱山町として発展。現在もヴァーレ・インコやエクストラータ・ニッケルをはじめとする資源会社が鉱山と製錬所を所有し、開発を進めている。

サドベリーにあるのは鉱山や製錬所ばかりではない。鉱山向けのサービス提供会社も多い。地球科学分野に強いローレンシア大学もここサドベリーにあり、敷地内には北米最大の非営利応用研究会社のMIRARCOといった各種研究機関も存在している。MIRARCOはカナダで唯一、探鉱分野を専門とするバーチャルリアリティ施設を持ち、資源会社の探鉱や効率的な開発を支えている。

こうした鉱山向けのサービス会社は市内に300社以上あり、実際に操業している鉱山より多くの雇用を創出している。市全域で鉱業分野の産業クラスターを形成しているのが、鉱山町として100年以上の歴史を持つサドベリーの特長になっている。

ただし1年前の金融危機による資源価格急落が直撃。この町には不況の波が押し寄せている。ヴァーレ・インコの09年4―6月期のニッケル生産量は1―3月期から10%減少した。サドベリーでの減産が主な理由だ。景気悪化で積み上がった在庫を調整するため6月に操業を一時止めた。さらに下期はストライキの影響で操業が止まっている。

エクストラータ・ニッケルも鉱山寿命やコスト高を理由に2つの露天掘り鉱山を閉鎖。もう一つのフレーザー鉱山の操業も市況悪化で中断。現在、唯一稼働している坑内堀のニッケル・リム鉱山も減産している。

鉱山の閉鎖や減産などにより、そこで働く従業員は解雇された。鉱業分野の不振を背景に「サドベリー市内の雇用は10%減った」と地元の開発公社の幹部は話す。

※詳細は日刊産業新聞に掲載した「資源大国カナダ編」(全8回)をご覧下さい。



プロフィール
増田 正則(ますだ まさのり)

株式会社産業新聞社所属
非鉄金属担当 記者

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