(2006年09月21日)
NY原油:3月以来の安値水準に
石油価格の国際指標となるNY原油が現地19日に2ドル超下落、同日の終値は61ドル台半ばとこれは春先(3月)以来の安値水準である。最近の天然ガス相場の下落で一部ヘッジファンドが巨額の損失を出したことがきっかけであった。この伏線として産油国を巡る地政学リスクが後退し、原油相場に積み重なっていたいろいろなリスクプレミアムが剥がれ落ちたことがある。内部要因は最新の同市場の取組内容が示すもの、ファンドによるロング解消売りにある。
国内市場はこうしたNY原油の大幅下落が現物実勢の悪さに重なってストップ安が相次いだ。週明けの急反発でかえって下落幅を大きなものにした観があり、石油製品は需要背景がガソリンから灯油に移行する過渡期ということもあって、この面からも非常に不安定な局面にある。
NY原油はとりわけ今月に入り下落傾向を強め、水準的には同日の下落で本年3月以来の安値水準になった。61ドル台半ばの安値をつけたことで、7月の最高値からはこれで下落幅が17ドル、下落率にして20%を超えたことになる。原油の国際相場がこうして夏から秋に調整安パターンを呈するのは、近年では決まって起こる現象であり、これは値幅的には15ドルが一般的なものであった。
ただ、指標市場としてのNY原油がこの水準まで下落すると、OPECとてこれまでのように原油価格に距離を置く姿勢をとり続けることはできず、既にこのバスケット価格は60ドルを割り込んでいるため、加盟国から何らかのアクションが起きても不思議ではない。
市場内部におけるファンドの動きは明らかにロングの解消と新規売りによるポジション調整に大きな特徴があり、9月末が四半期末であることから、月内にはこれも一段落するということであろうか。石油に貴金属と同じ足取りでこれは商品市場からの資金流出が進行している表われであろう。
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