(2007年01月23日)

NY原油:50ドルに急接近後は反発

原油の国際相場は指標となるNY市場のWTIでバレル当たり50ドルの攻防戦をみせた。前週末19日にも一度、この50ドルに接近する場面があったが、直ちに切り返して急伸、限月交代を契機に自律反騰する機運も生じている。昨夏の最高値から測ると既に値幅では27ドル、率にして36%とこれは異常変動に近い下落相場で、暖冬という気象要因はかなり織り込まれた。来月にかけイランを巡る地政学的リスクが見直されそうだ。

市場ではこの50ドルが心理的な下値の大きなフシとして作用している。現地18日に瞬間ではあったが、これを下回り49・90ドルの安値をつけたのは米石油の週間在庫統計で原油および石油製品の在庫が増加したことが嫌気されたものだ。世界的な暖冬がこうして石油の在庫増につながると売り材料にされる最近では決まったパターンである。

それでも米北東部の暖冬が前週後半から例年の寒さに戻り、これにより暖房油需要が回復する公算が生じていることと、とりわけ年初から急落に次ぐ急落を重ねたことで、テクニカル的な見直し人気も働いた。年初からの下落相場に限ってみても、下落幅にして約10ドル、率で15%を超えるものになったことで、いかに暖冬といえども短期的な下げ過ぎ感が強まったとみられる。このあたりは50ドルという大きな値ごろのフシが意識された表われとみられる。

昨夏の78ドル台という最高値から計った下落率は前述のように36%に達しているが、経験則からこれが40%を超えると異常変動の領域であることから、暖冬という気象要因がかなり織り込まれたのを示す。

したがって世界的な暖冬という気象要因をひとつの下落要因にした今回の相場も、ここからは限月交代を契機にして今度は別の新たな材料に反応した展開に移る可能性が高い。これがイランの核開発を巡る地政学的リスクである。

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