(2007年01月30日)
NY原油:地政学的リスク見直す
原油の国際相場は世界的な暖冬を反映した年初からの下落局面が一巡し、指標となるNY市場は直近安値からすでにバレル当たり5ドル前後戻した。前週末の終値55ドル台半ばの値ごろは暖冬で相場が大きく下落するまでの下値であったことから、改めて今後の下値のフシとして作用する可能性もある。2月にはイランの核開発を巡る地政学的リスクが高まりそうで、新たな石油市場の焦点になる、とみられる。
米ブッシュ大統領が行った先日の一般教書演説では、イランに対する敵対姿勢が随所で強調された。
イランは02年1月のやはり一般教書演説でイラク同様に「悪の枢軸」と名指しされた経緯があり、テロ支援国家と断定されている。
また北朝鮮の核開発をも支援している、とするブッシュ政権は現在、イラクへの増派をめざす一方で、イランの核施設を集中的に攻撃する計画をひそかに検討しているとの不穏な情報もある。米がすでにペルシャ湾に派遣する艦隊の増強に動き始めているとの情報もあながち無視できないものである。
2月中旬には核開発での成功を祝う国民集会開催を予定し、その頃には国連安保理による経済制裁が次のステップに進むことを考慮すると、今後イランの核開発を巡る地政学的リスクが高まりそうだ。
年初以降の原油相場の大幅下落はこのような産油国を巡る地政学的リスクはひとまず棚上げされ、本年の世界的な暖冬による暖房油需要の減退がこの手掛かりにされたもので、これもNY市場で値幅が10ドルに及んだとあれば、すでに織り込まれたといえよう。
本年のような暖冬が暖房油需要を減退させるのはデータ上にも表われていることで、これが原油需給にも影響を与えるとあれば、石油輸出国機構(OPEC)による減産の必要性が高まっている、といえよう。それでもこのOPECが決定した合計で日量170万バレルの減産が実行されさえすれば、全体の石油需給は改善されるはず、と分析されているだけに、石油市場の視線が地政学リスクに向くのも遠くはないか。
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