(2006年07月31日)
[道しるべ] NY原油、それぞれの50ドル
「採算面からNY原油市場の50ドル以下はない」と語るのは第一生命経済研究所主席エコノミストの飯塚尚己氏。パイプラインに使うシームレスパイプの高騰や人件費の上昇など、産油国の生産コストは30―45ドル台まで底上げされたことから、おおよその採算ラインが割り出せるようだ。
原油市場について、「世界秩序のバランスが崩れ、資源国、軍事国の台頭から最も政治銘柄化した市場」とし、「地政学リスクの解消は新しい世界秩序の構築がなされるまで変わらない。20年から30年の時間が必要だろう」と見る。
最近のシンクタンクでは物価を分析する上で商品市況を利用する。同氏によれば「以前は物価担当=新人という暗黙の了解があったが、今では重要性が増したことで中堅からベテランの担当となった。各アナリストは商品情報を欲しがっている」という。
一方、「国内金融機関ではCTAの認知度はまだまだ」と語るのは大和総研ファンド戦略部シニアアナリストの安智弘氏。
同氏はゲートキーパーとして各ファンドマネージャーを訪問し、最適なポートフォリオを構築するためファンドのモニタリングや運用会社の選定を行っている。
その同氏が注目しているのが商品市場だ。しかし、「分散という観点から商品市場にも資金を配分するべきだが、海外とは対照的に国内ではなかなか認知度が広がらない。商品を組み込まないリスクについては無関心だ」と少々ぼやき気味。
国内機関投資家について「商品市場は短期間に急騰したことで下落に対するリスクを嫌気する見方も根強い。少しでも下がると途端に『やっぱり危ない』という認識になってしまう。そのため今後数年間は認知度の向上や実績作りも兼ねてレンジ内で推移してくれれば」という。
ただ、数年前まで商品市場について渋い顔をしていた機関投資家も原油価格が50ドルを超えた時期から徐々に理解を示し始めたとか。「分散と長期投資という観点から今後も商品市場を組み込む必要性について提案していきたい」と意気込む。
ソーシャルブックマークサービスにこの記事(ページ)を登録