(2006年11月27日)
[2006米穀倉地帯を行く(最終回)] ウェスタン・アイオワ・エナジー社/バイオディーゼル 重要な代替燃料の1つ/品質にも注目集まる

記者は、10月2日、米国における代替エネルギー政策の一環としてのバイオディーゼル・プロジェクトがいかに進展しているか確認するために、ウェスタン・アイオワ・エナジー社(Western Iowa Energy,LLC)を訪れた。アイオワ大豆協会のマーケティング・マネージャー、ローラ・ズィースキー氏が同行してくれた。同氏は、アイオワ州におけるバイオディーゼル・プロジェクトの状況に詳しい。
同社は、2004年9月にアイオワ州の有限責任会社として登録され事業を開始。同社の工場では、年3000万ガロンの大豆油などを原料にしたバイオディーゼル生産を目指している。バイオディーゼル事業は、エタノールと並びアイオワ州とって経済的に重要な役割を果たしているプロジェクトの1つである。
同エネルギーの製造工場はエタノール工場と比べてまだ数少ないものの、着実にバイオディーゼル工場の建設が進んでいる。なお、同社によるこうしたバイオ燃料生産は今年の初め頃に始まったばかり。ジェネラル・マネージャーのクリス・ダニエル氏が工場内を案内してくれた。
同氏は「バイオディーゼルは米国で非常に重要な代替エネルギーの1つだ」と語った。ズィースキー氏も「バイオディーゼルの品質に注目が集まっており、これはバイオディーゼル事業の将来性にとって非常に大切なことだ」と述べた。
バイオ燃料の先物市場
ところで、バイオ燃料の先物市場については、エタノールが、シカゴ商品取引所(CBOT)で米コーン由来の商品、ニューヨーク・ボード・オブ・トレード(NYBOT)でブラジル産砂糖きび由来の商品としてすでに上場されている。
一方、バイオディーゼルについてはまだ上場が実現していない。同氏は「バイオディーゼルの上場を望んでいる」と語った。
このほど都内で開催されたアメリカ大豆協会主催の米大豆品質展望に関する記者会見(既報)の中でビーソン&アソシエイツ社社長のマット・ビーソン氏は、「バイオディーゼルの生産が今後急激に伸びていくと思う」と述べていたが、それだけ同エネルギーの生産量が増えれば、リスク・ヘッジの必要が高まり米取引所でバイオディーゼル上場を真剣に検討することになるのかもしれない。
さらに、ブッシュ政権の掲げる新エネルギー法で代替エネルギーの利用が積極的に進められていることに伴い、政府から助成金が出されており、こうしたことからも、バイオ燃料生産が一層促されるのは間違いないとみられる。
また、ズィースキー氏によると、アイオワ州は全米でも屈指の大豆生産地だけに、同州のバイオディーゼルに対する投資で農家は非常に大きな利益を得ているという。これは、エタノール投資でも同じ状況にあるとみられる。
米著名人もバイオディーゼルを支援
さらに、同氏は、「ハリウッドの大物女優や著名なシンガーなどがバイオディーゼルのプロモーション活動を積極的に行っている」と述べた。このことからも代替エネルギー政策がいかに国家的なプロジェクトであるかを実感させる。
このように見てくると、米農業は、代替燃料の開発とともに、工業的な側面も併せ持つようになっているのではないか。
米国のコーン・大豆の各生産者は、エネルギー開発とは切っても切れない関係になってきている。そして、アイオワ州の経済は、これによりますます活性化していくものとみられる。
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