(2006年12月04日)

[米国取材を終えて] 代替エネルギー開発、国家プロジェクトの様相、バイテク開発も進展

記者は今年の秋、2つの米取引所―NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)およびNYBOT(ニューヨーク・ボード・オブ・トレード)―を取材した。また、米中西部では、アイオワ州の代替エネルギー動向を中心に躍動する同州経済の行方を探った。

日本は先物の草分け的存在

米取引所の取材を通して感心したことは、日本の先物取引が世界初であることを取引関係者が十分認識しこれを重要視していたことだ。

米国の商品先物取引は、先物発祥の地である大阪堂島の米取引にならい、農産物の先物取引の必要性も高まっていたこともあって、まずシカゴ商品取引所(CBOT)で米国初の商品先物取引が19世紀半ば頃に始められた。

われわれ日本人は、日本が先物の草分けであり故郷であることに誇りと自信を持つべきだろう。現在の低迷を続ける日本の先物業界は一過性のものであり、長期的な視点に立てば、必ず復活を果たすものと確信している。現在はウミを出している最中である。

NYBOTも911テロの被害を受けながらも、あれから5年以上が経過した現在、取引が活性化するなど見事復活している。

さらに、アイオワ州の代替エネルギー・プロジェクトは、同州訪問が今年で3回目を迎えるが、年々加速度が増しているように感じられる。

米経済の冷え込みが取り沙汰されていたが、少なくともアイオワ州は、代替エネルギー開発のおかげで経済的に大いに潤っているようだった。来年は米国各州でエタノールやバイオディーゼルの投資がさらに活発化するだろう。

また、アイオワ州から帰国のトランジット先のシカゴ・オヘア国際空港内で「E85エタノール」に関連した広告が至る所で目についた。「E85エタノール」とは、15%のガソリンと85%のエタノール混合物使用を意味する。このように、明らかに目に見えるような形で代替エネルギー政策が進んでおり、まさに「国家プロジェクト」の様相を呈している。

遺伝子組み換え―日米間ギャップをどう埋めるか

さらに、農産物における遺伝子組み換えなどバイオテクノロジーの開発にも目を見張るものがあり、代替エネルギー開発同様、もはや後戻りできないレベルまで進展していることを実感した。

ただ、日本の消費者の中には、依然として遺伝子組み換えに対して抵抗感を覚える人も多い。先に都内で行われたアメリカ大豆協会主催の米大豆品質展望に関するセミナー(既報)でも、参加者の中から「遺伝子組み換え食品は本当に安全なのか」といった鋭い質問が米生産者や専門家に投げかけられた。日本国内での遺伝子組み換え食品を巡る問題は、今後も続きそうだ。

この日米両国間の認識のギャップを米国の生産者はどのように埋め、いかに日本の消費者が遺伝子組み換え食品に理解を示すかが引き続き課題になるとみられる。

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