(2007年01月24日)

[今年の貴金属動向を聞く] NY金、700ドルを目指す展開に―園田征次

――昨年の貴金属相場を振り返って。

「2006年は前半堅調、後半軟調と明暗を分けた。前半はNY金が、2月14日に535・50ドルを底値に反騰し5月11日、723ドルの年間最高値を記録。しかし年後半は、7月から調整局面に入り、商品相場は軒並み落ち込んだ。イランの核開発を巡る中東情勢の緊迫化による原油供給懸念が後退し、原油相場は7月初めの78ドルから10月の60ドルを割り込み、NY金も連動して600ドルの大台割れとなった」

――最近話題の金ETF(上場投資信託)について。

「金ETFの販売残高は増加の一途をたどっている。昨年10月11日よりシンガポール市場でも販売が開始され、今後、香港、インド、メキシコ、スイス、トルコ、フランスなどで上場販売が計画されている。日本でも大証が金ETFを検討していることが明らかになった」

――年金基金の市場参入が盛んなようだが。

「米国最大の公的年金基金『カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)』は06年12月1日、運用資産総額2200億ドルの50%をエネルギーと資源材料に組み入れる、と発表したと聞く。既にスイス・ポストの退職年金基金や英国ハーミーズ年金基金が商品投資を開始しており、今後、資金の一部が金や金ETFに流れ、同時に日本をはじめ世界のほかの公的年金がカルパースに続く可能性が高いのではないか」

――鉱山会社による先売りヘッジはどのような状況に。

「ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシス(GFMS)社によれば、06年6月現在1438トンのヘッジ残高がある。平均ヘッジ・コストは380―400ドルと推測される。鉱山会社は多大な評価損を抱え込んでおり、海外金相場上昇に合わせて損失額が増加を続ける悪循環に陥っている。このヘッジ残高は今後の需要予備軍として相場下支えの要因となる」

――中央銀行による金売却については。

「各国中央銀行の金売却度枠を2000トンとした第一次ワシントン合意は04年9月27日にその期限を迎え、売却実績合計は2006トンで目的量の売却を達成した。引き続き売却枠を年間500トン、5年間で合計2500トンに引き上げた第二次合意が確定、スタートし、初年度05年の売却度実績も493トンでほぼ目標を達成した。しかし、06年は同393トンであり大量売却未達となった。今後、合意は空枠化し、『合意』そのものが消滅する可能性も考えられる」

――今年の海外金相場の動向は。

「米国は、年々拡大を続ける双子の赤字に加え、米景気鈍化により近い将来、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに動くとの観測もある。その他イラクやイラン情勢などの地政学的リスク、前述の金ETFの人気化による現物需要の増加、米国最大の年金基金・カルパースによる商品市場への参入決定なども、金相場を支える材料として期待できる。これらのことから、中・長期的にはドル安基調で海外金相場は堅調、再び700ドルを目指す展開があるのではないか」

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