(2007年06月14日)
[インタビュー] ブレントが実需を反映/ひまわりCX・国際部マネージャー長谷川 健氏
原油市場では、年初からWTIとブレントの価格差が広がり、現在もこの傾向が続く。今や、WTI原油を国際指標と見ること自体が「リスク」との声もある中、ブレントが世界の原油の実需をより反映しているのでは、との指摘もある。WTI安・ブレント高の現状とこの背景について、ひまわりCX・国際部マネージャーの長谷川健氏に聞いた。
――WTI安・ブレント高の現状について。
「陸上受け渡しと海上受け渡しの違いがポイントではないか。WTI現物の受け渡し地点であるクッシングは、現物はその場で売るしかない陸上受け渡しである。一方のブレントは海上受け渡しなので、現物を船上に留めておき、なおかつ輸出に振り返ることができるため、アービトラージ(裁定取引)が利く」
「WTI安は、原油余りが要因。WTIの現物は、オクラホマでは日量40万バレル生産が行われている。しかし、2月16日にテキサス州マッキー製油所(日量17万バレル)が、火災により精製が1カ月以上停止し、これで現物に余剰感が生じた。これに対し、カナダから毎日パイプラインを通じて原油が送られてくるため、原油の余剰感が高まり現物の売りを余儀なくされた」
「一方のブレント高は、欧州の景気が良好で需要が高まっていることが要因。これに加え、ナイジェリアの政情不安やインド洋に発生したサイクロンを一時は織り込むなど、WTIより広く原油のマーケットを反映する市場になった」
――WTIの足元の現物事情と、本年の高値の見通しは。
「WTIは、夏場までガソリンがリードしそうだ。ガソリン小売価格高にも関わらず、需要が堅調。また、製油所の稼働率低下も強材料とされ、定期修理が明けてもガソリン在庫は依然少ない状況が続きそうだ。また、製油所のトラブルやハリケーンなどが相場の下支えをするのではないか。原油は、このガソリンの動きをサポートする形をとるだろう」
「原油の実需を反映しているのは、WTIよりもブレントとみている。そのブレントは、7日に71ドル台を付けたが、チャートでは直近でダブルボトムを形成しているので、基調は強いと見る。ブレントは、短期的な高値は72ドルで、7―8月の夏場には75ドルを付けるのではないか。WTIは、ブレントに追随する形でしぶしぶ70ドルを目指す展開であろう」
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