(2007年08月01日)

[コモディティ「光と影」(上)] 「流動性」競うマーケット

活況を呈する世界のコモディティ。その中で日本の商品市場は低迷を脱するべく改革を加速する。こうした全体的な投機資金の流れと国際商品市場の動向について、野村證券金融経済研究所・経済調査部シニアエコノミストである大越龍文氏に聞いた。同氏は、「流動性をいかに確保するかがカギになる」などと述べた。

――過剰流動性(投機資金の過剰)の中にあるコモディティの位置というのは。

「比率からみると株、債券と同等とは言えないが、投資家にとってはかなり意識せざるを得ない『運用商品』になりつつある。04年以降投資資金は急激に膨らんだわけだが、そこで一部株や債券の運用難が発生、コモディティの存在が改めて意識された。06年以降は金融市場との関連性が高まっているが、これは年金基金等が含まれるETFなど新たな資金の流入が背景にある。ただ、コモディティに占める年金基金は5%程度でありあくまでも分散投資の一つ、その中でも主力とは言えない。しかしポイントは、過去は全くなかったコモディティに急激に資金が入ってきたという確かな事実だ」

――活況を呈する世界のコモディティ市場。日本市場をどう見る。

「海外の商品プレイヤーの大半は金融機関が占めている。LMEの会員はゴールドマン・サックスやモルガンスタンレーなど証券会社で、証券とコモディティを同等に扱い活発な取引を行っている。これに対し国内の参加者は、商品取り扱い業者がやっているが最終的な投資家は個人投資家という構図。となると市場規模は全く違ってくる。そこが変化しないと海外と同等に立つことは難しいのでは。

――上海取引所の追い上げが気になるところだが。

「中国政府のレギュレーションと日本政府の今後の戦略次第だと思われる。上海取引所は、現物の裏付けが強く値動きが荒い。LMEとの連動色が薄いのも特徴。機関投資家がほどんど入っていないから市場規模も限られている。金融自由化がなされ、機関投資家も参加できるような市場になってしまうと東京市場は危うい。ロンドンとNYの繋ぎとして見る場合、海外の投資家は当然市場規模の高い方を選ぶだろう。各国ともに『流動性の確保競争』がポイントだ」

ソーシャルブックマークサービスにこの記事(ページ)を登録
ブックマークに追加する