(2007年08月23日)

[インタビュー] 在庫、リスクプレミアムに関連/林文夫氏

バンクAIG証券会社の親会社であるAIGファイナンシャル・プロダクツ・コープ(AIG―FP)はこのほど、同社がスポンサーとなり、3人の日米の大学教授が共同で行った商品先物に関する画期的な学術研究を発表した。その集大成である「商品先物リターンのファンダメンタルズ」と題する論文では、商品在庫量がリスクプレミアムに及ぼす影響を解明。研究者の1人である林文夫東京大学大学院経済学部教授に聞いた。

――まずリスクプレミアムとは何か。

「在庫が増加したらスポット(直物)が下がる。在庫が減少したらスポットが高騰する。これは勿論誰でも知っていることだが、われわれの研究の焦点は、在庫とリスクプレミアムの関係。商品先物取引で言うところのリスクプレミアムとは、将来予想されるスポットの期待値から今日の先物を引いたもの。したがって(将来のスポットから今日の先物価格を引いたものである)超過リターンの平均値に等しい。われわれの研究は在庫とリスクプレミアムの関係を研究したものだ」

――1969年―2006年までの各商品の在庫データを用いたそうだが、69年以前のデータを使用しなかったのは。

「リスクプレミアムと今日の在庫の間の相関を見るには,在庫と先物の両方のデータがないといけない。在庫のデータがとれる商品というのは、昔はあまりなくて、在庫がとれる商品が多数になるのは,69年からとなる。それ以前だと2、3の商品しかない」

――この研究において何が画期的だったのか。

「業界では在庫とベーシスの関係がよく議論になるし、またアカデミックな分野では在庫と価格のボラティリティーの議論が非常に多いのだが、在庫とリスクプレミアムの関係を見たのは、われわれの研究が恐らく初めてではないか。というのは、在庫のデータは非常にとりにくいので、いままで少なくともアカデミックな分野では実際の在庫のデータと超過リターンの関係について実証研究したものはなかった」

ソーシャルブックマークサービスにこの記事(ページ)を登録
ブックマークに追加する