(2007年09月07日)
[インタビュー] みずほ総合研究所・シニアエコノミスト/吉田 健一郎氏に聞く/NY原油、現況と見通し/需給緩和で60ドル台前半も

NY原油は、8月1日に過去最高値となるバレル当たり78・77ドルを付けた。その後に70ドルを割り込む場面も見られたが、ここにきてハリケーンリスクなどで戻り歩調を強めている。また、米サブプライムローンに起因した市場の動揺(余震)が続く中、原油市場も波乱含み。現況と今後の見通しについて、みずほ総合研究所・調査本部・経済調査部シニアエコノミストの吉田健一郎氏に聞いた。
――足元でNY原油が高値から10ドル下落し、その後は戻しつつあるが。
「8月1日の高値78ドル台から10ドル下落した背景は、米サブプライムローン問題でリスクリダクション(質への逃避)から、ファンドがポジションを手仕舞ったことが要因と見ている。例年、ファンドがポジション整理をするのはハリケーンシーズンの終わり頃であり、8月前半の下落はまだ調整の一環ではないか。本格的な下落は、ガソリン需要期とハリケーンシーズンが終わり、需給が緩和されやすくなった時と見ている。今回の戻りはハリケーンが意識されたもので、最高値更新とまでは至らないのではないか。ファンドが、最近の高値でさらに買いポジションを取るリスクは考えにくい」
――最近、株価と原油相場が連動している様子が窺えるが。 「サブプライム問題で、ファンドが株と同時にコモディティの資金も引き揚げたことで、この連動性が強く市場で意識された。また、コモディティの中でも最近は『原油とコーン』は連動して上昇しているようだ。このようにあらゆる商品が一体化しており、今までのように繋がっていないものが繋がっていくようなグローバル化が進んでいる。この繋がりがサブプライムでも見られた」
――これらを踏まええ、年末までのNY原油の見通しは。
「石油輸出国機構(OPEC)は、70ドル台前半であれば生産枠を据え置くことがメインシナリオだろう。しかし、75ドル超えで推移するとなると11日の総会直前まで神経質な展開となる。ただ、生産枠の据え置きとハリケーンが意識されても、8月1日の78ドル台が今年の高値ではないか。ここ近年は夏高傾向だが、70ドル台での推移は2カ月ほどだ。現在の需給から見ても70ドル台は高いと思われる。これらを踏まえ、年末から来年にかけて60ドル台半ば、もしくは前半まで下落すると見ている」
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