(2007年09月10日)

[インタビュー] 金需要好調変化の行方/中国「先物」に潜在能力

金を取り巻く環境が大きく変化している。ETF(上場投資信託)など堅調な投資需要に加え、本年は特にインド、トルコ、中国等の旺盛な現物需要が際立っている。これらの背景をメタル事情に精通している住友金属鉱山金属事業本部銅・貴金属営業部長・中里見徹氏に聞いた。

――上半期を振り返って。

「工業用材料は、世界では1割だが日本は多くて4割を占める。この分野は非常に好調で、我々も半導体材料のボンディングワイヤーを作っているが、工場は夏場返上で生産していた。特に台湾向けが良い半導体は、パソコン、携帯電話などの需要が好調だ。さらに毎年のことだが米国では9月の新学期に向けた需要があり今年の夏は例年以上に絶好調だった」

――注目している相場の材料は。

「9月26日に期限を迎えるワシントン協定の動向が注目される。昨年は金価格が高く、もっと上がるのではという心理があって各銀行が売り渋った。その結果500トンの枠に対して380トン位しか売らず枠は100トン以上も余った。今年は大体枠一杯までは売られると見ており、相場にはマイナス要因となるかもしれない」

――金の完全自由化で価格に与える影響は。

「現在、中国の金需要は年200トン強。インドが完全自由化した時に200トンの需要は一気に600トンとなった。その類推で中国で金が完全自由化となったら爆発的な需要が発生し価格が上がる可能性がある。今の金価格には中国の自由化が潜在的に織り込まれている。『うわさで買って事実で売れ』という相場の格言があるように、実際自由化した時は金の価格への影響は限定的だろう。また、インドとはインフラが違うためそこまで需要が増えるとも思えない」 「本来から金選好の強い国民性のため売れる素地はある。現在、個人で金を買うのは禁止されているが金の値段に連動した、いわゆる『紙の金』なら買える。結構売れているようだ。これに類するものを色々な場所で取り扱って、最終的に個人でも現物を買えるような仕組みになるだろう」

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