(2007年09月25日)

[インタビュー] みずほ総研 吉田健一郎氏に聞く/米利下げとコモディティ/市場の「信認回復」カギ

米サブプライムローン問題に端を発した金融・証券市場の混乱を収束するべく金融当局は大幅利下げに踏み切った。NY市場の株価や商品相場は前週に大きく上昇し、とりわけ代表的なコモディティとなる原油や金に投機資金が向けられた。このトレンドがさらに続くのか、為替相場の動向を交えてみずほ総合研究所調査本部のシニアエコノミスト吉田健一郎氏に聞いた。

――米連邦準備理事会(FRB)が市場にはサプライズとなる大幅利下げに踏み切った背景を改めて。

「18日の連邦公開市場委員会(FOMC)後に出された声明文では、大幅利下げの目的として金融市場の混乱に伴う悪影響を未然に防ぐとの目的が、明確に述べられている。それだけ今回のサブプライムローン問題に起因したマーケットの混乱を重く見たのであろう。ロンドンではその後金融機関からの預金一斉引き出しにまで繋がってしまった」

「また、今回の声明文では前回にはなかったインフレ・リスクに対する文言が復活している。恐らくこれは0・5%の大幅利下げ断行に対するタカ派委員の賛同を得るために用いられた文言という解釈ができる。FRBにしては随分と配慮した跡がみられる」

――為替市場では今回の大幅利下げを契機にドル売りが加速する傾向だが。

「為替相場には最近、2つの側面があって、ひとつは株価に連動する側面、もうひとつは本来の姿としての経済情勢を反映した『金利動向』である。利下げでドル安が加速するのは当然だが、今後は年末に向かって緩やかな円高・ドル安に進むと見ている。113円から118円のレンジを予想している」

――この利下げを契機に商品市場に資金が向けられ、原油や金が大幅上昇している。

「ドルに対する信認が弱くなると、この代替として金にファンドなどの投機資金が向けられる。原油も同様だが、指標のNY市場でバレル80ドル台という高値をもたらしたのは通常はあまり流入しない年金など長期運用される資金がかなりの規模で流れ込んだのが原因ではないか。これに足元での原油在庫減少が上昇を加速させた。米政府が原油高を容認しているわけではないが、『市場不介入』が原則なので、この原油高を抑制できるのはやはり『OPEC』であろう」

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