(2007年11月12日)
[インタビュー] シカゴ穀物相場動向を読む/下/ユニパック・グレイン代表取締役 茅野信行氏/商取会社、一番重要なカスタマー
――ところで、東穀取で10月からコーヒー・粗糖のザラバ取引が開始の予定だったが、システム不具合で延期になった。これら農産物ザラバ取引開始は将来的なコメ上場を視野に入れたものだと思うが。
「ザラバ取引はコメ先物取引を行うための布石だった。だが、(今回の不具合で)遅れてしまった。これは商品取引員の負担になるだろう。東穀取にとってターゲットカスタマーは商品取引会社だが、いま経営が非常に厳しくなっている。そういう中で、商品取引会社が体力を温存したままいつまでコメの上場を待てるかというところに差し掛かっていると思う」
――それは各商品先物取引会社がザラバ取引用の設備を維持するなどのコストがかかることと関係があると。
「追加のコストを払うため、新しい商品が上場されて、それに対し新しい収入が増えるのであれば良いが、手数料はそのままで負担が増えたら商品取引会社の経営は苦しくなる。一番大切なことは、各商品取引所のターゲットカスタマーは誰かを考えれば商品取引会社が一番重要なカスタマーになっているはずで、彼らが顧客を集めて取引して初めて商いが成り立つわけだ。だから、どうやって商品取引会社とのコミュニケーションを密接にして商品取引会社の意見をくみ上げるかということが、これから大切になってくると思う」
「ターゲットカスタマーが一般投資家だなどと思っているうちは、いまの苦境は打開できない。そこを考え違いしているといつまでたってもコメの上場は実現できないし、農家のためにもならない。先物があれば、少し需給がおかしくなれば、半年先、1年先の先物が市場で取引され価格シグナルが出てくるから、それに対して対応しておけば良いのだが、今はないからできない。できるだけ公正な価格形成にするために取組が増えるということが大事だが、それを増やすために商品先物取引会社が元気になってくれなければいけない。ところが、顧客が減少している。そうなると、公正な価格形成ができにくくなる。だから、商品先物取引会社にとって自分達の将来の収入源を何にしてどういう商品を重点商品として育てていくかということもまだ考えられないわけだ。いまは企業戦略を構築できる状態ではない、と思うのだが」
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