(2007年11月26日)

[特集] エタノール事業・新たな展開/米国、現状の輸送手段では困難

米国におけるエタノール事業がここにきて停滞しつつある。コーンを原材料とするエタノール需要に何が起きたのか。その現状と将来展望について探る。

シカゴ・コーンは、エタノールの急激な需要増加が強材料になっていた。しかし、米農務省は9、10月の需給報告で新穀年度(2007―08年度)に入ってからエタノール需要量を計2億ブッシェルの下方修正を行った。

RFA(全米再生燃料協会)によると、10月30日現在のエタノール生産動向は、稼動工場130で年間生産能力が70億2290万ガロン、新設予定72、増設予定10、生産能力64億5190万ガロン。現在の生産能力と新・増設分を合計すると、134億7480万ガロンに達する。

ちなみに9月28日現在は稼働工場129、新設予定76、増設予定10、既存と新・増設を含めた生産能力は136億5540万ガロンで、9―10月にかけて生産規模がやや縮小しているのが気になるところである。

■閉鎖に追い込まれるエタノール施設

16日に都内で行われた米大豆生産者団体の会見でバイオ燃料動向に詳しいバーレット・グレイン・カンパニーのロドニー・シュラッタ氏は「エタノールの収益率が芳しくない。製造施設・工場では収益率を上げるべく取り組みが行われているが、エタノール価格が低迷し収益率も低迷するとの見方が出ている。実際、いくつかの工場が老朽化し、さらには小規模な施設は閉鎖に追い込まれている。以前にいくつかのエタノール工場を建設するとの発表も行われていたが、ここにきて白紙に戻す向きも見られている」と語っていた。

これは、エタノールをスムーズに輸送するためのインフラが十分に整っていないことにも関係があるようだ。

エタノールを石油と同じようにパイプラインで運ぶことは「侵食性があるため不可能」(USSEC・CEO、ダン・デュラン氏)という。このため、現在可能な輸送手段はトラックもしくは鉄道になる。

「エタノールは消費地である米東海岸、西海岸、その他大都市を中心に輸送されている。しかし、これには困難な問題がある。つまり、現状における鉄道インフラを見ると、同時に大量の輸送には適していないという状況がある。その上、エタノール製造工場から出荷する態勢が整っていない。即ち、大量に出荷するとなると、たとえば、100車両も連結されているような鉄道を走らせなければならない。そしてそれに荷積みする設備が整っていなければならない。それにはまだ対応できていない」―シュラッタ氏はこのように現状を説明する。

さらに、同氏は「対応策としては、同時に大量のエタノールを出荷するのではなく、非常に限られた小さな単位に分けて鉄道輸送する、あるいは非常に多くのトラックを動員して輸送する、という2つの手段がある」と述べた。

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