(2007年12月26日)

[インタビュー] 江守哲氏に聞く/石油市場を分析/原油高=オイルマネー還流

原油相場が底堅い。9月に、米連邦公開市場委員会(FOMC)が市場予想を上回る0・50%の利下げを行った。これによりドル安が進行し、11月にはバレル当たり100ドルを試した。その後も、相場は90ドル台の高値圏での推移を続けている。こうした石油市場の強さの背景について、江守哲・アストマックス運用部ファンドマネージャーに聞いた。

――足元では、原油相場の動きがいまひとつ読みにくいが。

「今は、市場のコンセンサスに従うほうが良いのでは。大手証券会社・ゴールドマンサックスが先日、今後の原油相場について強気のレポートを出したことで、これにより相場は4ドル上昇した。こうした動きは、本当のコモディティ市場ではないが、市場参加者がこのような材料で買い進めていることもまた事実である。ただ、コモディティを知っている投資家は、原油が80ドル台の時に買いを入れ、今の90ドル台ではすでに売っていることは知っておくべきではないか」

――一方、景気減速懸念は石油市場にも影響しそうだ。

「今、金融市場はサブプライムローン問題でボロボロだ。この金融市場を、中国や中東などが資金を出して、米国の景気減速を助けている面がある。中国などは新興国と言われ、ここ最近の経済のキーワードでもあった。これらの国が米国経済を援助し、また原油高で潤った中東諸国も、その資金をまた米国に還流することで米金融機関はなんとか維持されている。こうした循環からすると、原油価格は下がりづらいのではないか。まだ、お金の出し手もおり流動性もある。その一方で米株価は下落が続いている。この景気後退懸念が払拭できないと、コモディティも上昇とはならないのでは」

――今後の見通しについて。

「07年後半のコモディティの上昇要因は、ドル安であった。しかし、ドル安の材料は今や市場に十分織り込まれており、今後はドルも高くなっていくだろう。WTIの価格構成を分析すると、(1)ファンダメンタルズ(2)インデックスファンド(3)投機筋の3つに分けられる。そして、今この(2)と(3)の資金が増えてきている」

「コモディティが、本格的な上昇を迎えたのは恐らく03年からであろう。その後、インデクスファンドの資金が入り、コモディティ全体を押し上げた。そして現在はアクティブリターンを狙う、つまり、絶対利益を狙うといった違うタイプの投資家が出てきた。こうした投資家は、『買い・売り』の両方からリターンを狙う。今後このような投資家が増えてくると、今のような高値圏にある原油に対しては売りから入ってくるため、相場の上値を抑えてくるのでは。今のところは売り優勢とみている」

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