(2008年03月24日)

[インタビュー] 商社から見た石油製品現物事情/ガソリン、タイト感から上昇へ

国内石油製品は、ガソリンが夏場にかけ需要期を迎える。一方、シーズンがピークアウトした灯油も、先物市場では底堅い動きとなっている。こうした製品現物事情の現状と今後の見通しについて、西利啓・双日エネルギー執行役員に聞いた。

――足元のガソリン現物事情について。

「冬場から(石油元売りが)減産したこともありタイト感はある。ただ、暫定税率廃止となれば、ガソリンは25円(リットル当たり)安くなる。そのため、消費者は買い控えをするとみられ、販売も落ち込むのでは。3月末にかけては、現物の荷余り感も出てこよう。一方、4月に入れば3月に買わなかった分も含めて買われ、一斉に物がなくなる可能性もある。5月には製油所の定期修理があることから、現物を溜め込まざるを得なくなる。これにより、価格は上昇するだろう。こうした先の見通しを考慮すると、ガソリンの現物は、タイト感を持ったまま推移していくのではないか」

――ガソリン暫定税率問題の影響は。

「まず、コストが安い関係で、冬場のガソリンは揮発性の高い物が出る。ただ、夏場になると、あまりに揮発性が高いと危険なため、揮発性を下げる。こうした揮発性から3月物と4月物を見た場合、3月物は夏場に使えないということもあり、4月物のほうが高くなる。足元では7000―8000円ほど価格差があった。これは、春から連休にかけ、こうしたガソリンの規格の変化や需要の伸び、また製油所の定修があるのを見越してである。これに加え、2008年は暫定税率の問題があり、4月物の価格上昇が意識された。ところが、07年の3月物と4月物の価格差を見ると、08年とほぼ変わらない。この点から読み取れることは、2月時点のマーケットでは、暫定税率の法案は通るのではないかといった思惑から、税率問題を先物市場で織り込んでいなかったといえる。ここにきて暫定税率問題に気をつけて欲しい。ただ、安定供給のための在庫は持っていて欲しい、といったような声も聞かれた」

――暫定税率問題への対応について。

「まだ、暫定税率問題は現時点でどうなるかが、はっきりしていない。そうなると、2万5000円(先物市場での価格)損する可能性も出てくる。損を防ぐためには、例えば在庫を減らして4月から積み増しするしかないのでは。弊社の100くらいある全ての店舗で在庫を減らした場合、1000―2000キロリットルはあるのではないか。ただ、在庫を減らした分、足元では売上が落ちるため苦しくなる。税率問題は、先物市場より現物事情に強く影響するといえる」

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