(2008年03月25日)
[インタビュー] 商社から見た石油製品現物事情(下)/灯油、「国際的な商品」
――灯油は需要期の終わりを迎えた。
「世界で灯油を多く使っている人達といえば日本になるかもしれない。だが、灯油は航空需要でありジェット燃料である。ジェット燃料の硫黄分を少なくしたものが灯油である。つまり、世界では灯油留分とはジェット燃料であり、非常にインターナショナルな商品である。灯油を暖房で使っているのは日本と韓国くらいであり、非常に珍しいともいえる。そのため、灯油は日本市場だけを見るというよりは、ジェット燃料の市場を見たほうが良い。世界的にも航空需要は強い。日本でも需要の伸びが加速している」
――足元では、国内の灯油在庫が急減しているが。
「ちょっと前までは、灯油は日本の生活基盤を支えるものであった。そのため、在庫も500万キロリットルほど積み増ししなければならなかった。ただ、今は電化が進み環境の問題もある。また、今年は寒かったといわれるが、一般的には暖かい気がする」
「こうした中、例えば3月物と4月物を見ると、8万円と7万5000円で5000円ほど違う。3月の在庫を4月まで持ち越すと、安く売らなければならないことも考えられる。そのため、在庫はぎりぎりまでしか持たない。例えば、12月や1月時点で寒波が到来し需要が伸びても、この寒波は普通に終わるだろうと考え、インターナショナル商品である灯油は輸出することになる。それでも余りそうであれば減産する」
――灯油と同じ中間留分である軽油は。
「灯油と軽油はかなり違う。軽油の販売は落ちている。景気が低迷してくるとトラック需要が減少してくる。また、生産や運送・運搬でかなりの合理化を図っている。工場を大型化したり、運ぶ時は船で多く輸送し、ハブ的な場所を作ったりといったことも随分と行われている。企業も資源国などと貿易しているが、こうした経済の合理化や、また日本経済が良くないこともあり、軽油需要が落ちているのでは」
――他資源を見た場合について。
「油だけしか使えないところでも、電力はある程度は平均価格で見ているため、多少高くてもこうした需要は続くのであろう。これからは、いろんな資源を見ていく必要があるのかもしれない。原子力は、発電所を建てるのに時間がかかるのと、コンセンサスが重要となる。石炭は、火力発電所を新しく作るにも、欧米でもそうだが環境アセスメントなどから大変だろう。天然ガスは、欧州を見るとロシアのリスクもある。また、パイプラインで繋がるといっても米国を見ると、ガスでの発電は余地が少ないとみている。その中でも余力の面から、油しか需要に対応できないとみている」
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