(2008年04月28日)

[インタビュー] カネツ投資顧問・影山氏/「資源ナショナリズム」鮮明に

NY金相場は4月に入ってから900ドル前半でのもち合いが続き、一方のNY白金もトロイオンス当たり2000ドルを割ってはまた戻すという流れが見られる。金、白金ともにレンジを上抜けるための独自材料を欠く中、海外貴金属相場の現状、今後の見通しについてカネツ投資顧問アナリスト・影山辰夫氏に聞いた。

――ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ(GFMS)社の年間見通しについて。

「まず、金価格については、1100ドルはかなり抑えた予想だと思う。1200ドルまで上昇しても不思議はないと考えている。また、白金の2400ドルという見通しも出ていて、強気な見通しだとは思うが、十分にあり得る数字だろう」

――金上昇の具体的な背景は。

「金上伸の背景としては、米景気後退に伴うドル安懸念がまず一番にある。宝飾需要は伸び悩んでいるのはマイナス材料だが、投資需要がそれをカバーする流れになるだろう。また、需給面では金の産出量が頭打ちになっており、特に南アの減産が顕著だ」

「とにかく、ドルの先安感が材料として強い。今後は、『ドルを持つリスク』『株を持つリスク』に対する安全資産として、金にせよ原油にせよ買われていくのではないか」

――白金相場の見通しについて。

「もともと宝飾品需要が7割程度だったのが、ここ2、3年で自動車触媒の工業需要が急増している。これは相場の強材料だ。現在の相場を見ると、上昇のピッチが早過ぎて今の価格水準に馴染めていない印象だが、日柄が経過することで高値慣れしてくれば積極的に買う向きも出てくると思う。もう一段高もあると考えている」

「白金の上昇を投機的な買いによるものだと見る向きもあるが、実際のところで生産量は減少してきていて、それを上回る需要がある。商品の価格は最終的には需給で決まる。また、白金生産の8割を占める南アが駄目となったら、ロシアに目が向くが、ノリルスク社がほとんど管理している。今後、原油を含めて商品の需給を見ていくうえで、注意すべきなのが『資源ナショナリズム』という考え方だ」

――『資源ナショナリズム』とは。

「自国で採れた資源を国家戦略の中に位置づけて活用していくこと。白金だったらロシア。原油だったらベネズエラ、中東諸国などが挙げられる。特に近年のOPECの総会の内容を見てみると、そういった側面を強く感じる。こうした資源ナショナリズムの流れは今後、より鮮明になっていくと思うが、コモディティにとっては強力な押し上げ要因となる。これからは、現物を持っている国がとにかく強いという時代になる」

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