(2008年05月01日)
[インタビュー] 海外貴金属相場 今後の見通しを聞く/ドル安の見通し変わらず
直近のNY金相場は、3月下旬からトロイオンス当たり900ドル前半でのもみ合いという展開が続いていたが、前週の現地24日に急落し、900ドルを割り込む局面となった。こうした動きの中で、米経済の流れを包括的に見つつ、今後金相場がどのように動いていくか、マーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表・亀井幸一郎氏に聞いた。
――4月中旬の米金融機関の決算発表について。
「大手の金融機関においては、サブプライムの処理は終わりつつあるが、問題はサブプライム以外の部分にも波及している。当初騒がれていたサブプライム関係のCDO(債務担保証券)をどう処理するかという問題は山を越えたが、自動車ローン、クレジットカードローン、商業用不動産のローンなど、これまで痛んでなかったものが悪化を見せてきている。こうした流れの中で、米金融大手の決算は確かに悪かったが、思っていたほどは悪くなかった。中長期的に改善の方向性を示せたことによって、それを先取りして金融市場が回復した格好だ。株は反発し、ドルも下げ一服といった雰囲気になっている」
――現在のNY金の状況をどう見るか。
「中長期的な見通しとして利下げ打ち止め感が漂う中で、ドルが下げ止まっているが、一過性のものだと思う。ただ、現在ドルが安定していることで、金の上昇のタイミングが後ずれしている。3月下旬くらいから日柄整理が続いている状況」
――ドルの先安感について。
「米国はそもそも財政赤字に加え、経常収支でも大きな赤字を抱えていたものの、金融がしっかりしていたために回っていた。その肝心要の金融が今回ダメージを受けてしまった。この部分が解決しない限り、ドル高の方向に力強く反転することは考え難い。当面、ドルは弱含むとの見通しには変化ない」
――金の見通しについて。
「需給を見ると、最大の需要国であるインドは昨年秋から買っていない。そのため、実需が引っ込む中でのマネー相場だという見方もあるが、足元ではインドは婚礼シーズンに入っている。3月19日、4月1日の急落の際も、実需の買いが入ったことが確認できたので、これからある程度相場を下支えすることが予想される。また、900ドル前後でもみ合うことで、高値慣れも期待できる」
ソーシャルブックマークサービスにこの記事(ページ)を登録