(2008年06月05日)

[インタビュー] 拡大するディーゼル燃料/齋藤和彦氏/暖房油が相場をけん引

国際的な指標となるNY原油価格の高止まりが続いている。インテレス・キャピタル・マネージメント・チーフアナリストの齋藤和彦氏は、相場をけん引しているのはヒーティングオイルであるとする。足元の現状について聞いた。

――NY原油が高騰しているが。

「よく言われるのが、投機資金の流入によって上がったというもの。ただ、米商品先物取引委員会(CFTC)などを見ると、原油の取組はかなり減少している。ファンドのネットロングのポジションも減っている。この点から、投機資金の流入といった説明がつきにくい。原油急騰の1番の核を成すものは、やはりディーゼル燃料の需要によるヒーティングオイルの急騰というのが大きい。ヒーティングオイルは年初2ドルであったが、今は4ドル程となっている(5月27日現在)。やはり、このヒーティングオイルの上昇がなければ、原油高騰もなかったのではないか。今後を占う意味でも、ディーゼル燃料の需要というものを考えなくてはいけない」

――ディーゼル燃料の現状について。

「一つは、欧州における需要の拡大があろう。欧州の自動車はディーゼル車であり、ディーゼルエンジンの普及に努めている。また、アジアの経済発展による需要も見られる。これに対し、日米のディスティレートの在庫は10%を割っている。日本は、灯油の軽質を変えれば軽油になり輸出できる。世界的に見ても、ディーゼル燃料の数字的な統計は、アジアなど複雑に絡んでいるため詳しくはわからない。ただ、IEA(国際エネルギー機関)やEIA(米エネルギー情報局)ともに、中国の石油需要は今後も増加するとの見通しを示している。非OECD(経済協力開発機構)加盟国の需要も増加すると見込んでいる」

――NYヒーティングオイルは上昇している。

「今、ヒーティングオイルは4ドルが上値抵抗線となっているが、原油の150ドルを考えると、4ドル半ばから5ドルまで上昇するのではないか。市場は、足元では中国の復興需要というものを意識している。ポイントとしては、NYヒーティングオイルおよび、国内では灯油の在庫に注目している」

――米国は、これからドライブシーズンが本格化するが。

「これからは、ガソリン需要が伸びる時期になる。ただ、米国のガソリン需要は、まったく冴えない状況であり在庫も潤沢だ。このほど米運輸省が発表した、自動車の平均距離は前年同期比4・3%減と、これは1942年から統計を取って以来、最高の減少幅となっている。水準に関しては、オイルショック時くらいまで落ち込んでいる。こうしたことからも、ガソリンはサポート要因にはなりにくい。例年であれば、ガソリンが(原油の)けん引役となるが、今年は脇役となり、視点はディーゼル燃料に移ろう」

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