(2008年06月19日)
[インタビュー] 原油市場を分析する<上>/みずほ総研 吉田氏/ドルとの相関性にも疑問も
NY原油は、1日の値幅が10ドルとなる日もあるなど、ボラティリティが高い相場となっている。今の原油市場に何が起こっているのか。みずほ総合研究所・シニアエコノミストの吉田健一郎氏に聞いた。
――ドルが底堅いとみられる。
「足元では、やや短期的に米ドルが強含む可能性はあるが、持続的なものとはならず、その後はドル安が進んでいくというのが基本的な見通しである。今は、ドル・円を見ても底固いし、ユーロ・ドルはユーロの上値が重い。その理由として、先月の小売売上高が予想よりやや強かったことなど、減税効果が表われているようだ。ただ、減税自体は一度きりであり長続きはしない。四半期ベースでみれば、4―6月期は個人消費が若干良いとみられるが、7―9月はもう一回落ち込む可能性もある。今後は景気が悪くなるにつれ、市場が織り込んでいる先行きの利上げ期待がはく落し、ドル安になるであろう」
――足元のドル高は原油の弱材料となるか。
「ドル高だけをとってみれば、原油に下落圧力がかかることになる。特に、ユーロ圏でECB(欧州中央銀行)が利上げをする話が出てきたタイミングや、6日にWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が最高値を付けた時は、米雇用統計で失業率が5・5%とかなり急上昇した。これによりドル安となり、油価上昇のきっかけとなった。135ドルを抜けたところで買いの勢いが強まり、139ドルに達したといった展開だったとみられる。このことから、ドル安が意識されているのであろう。逆の動きとなれば、油価の下落となりやすい。ただ、油価の動きとドルが、そこまで相関性が高いかには疑問の部分もある」
――原油とドルとの相関性について。
「油価が通貨に、もしくは通貨の変動が油価に影響を与えるのか。どちらの方向に因果性があるのかを考えた場合、最近の動きはドルの変動が油価に影響を与えたとみられる。ただ、そのロジックとしては油価はドル建てであるため、ドル安となれば割安感が出てくることだと思う。逆に、油価から通貨に与える影響を考えたときは、分からなくもない。
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