(2008年10月08日)
[特集] 2008最新NYマーケット事情/NYMEX フロア、消滅の危機下で商い
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のフロア(立会場)トレーダーに共通して言えることは、電子取引が広がる中でも、オープン・アウトクライ(Open Outcry=大声を張り上げながら手振りで合図を出しながら売買する、公開競り方式)の取引手法にこだわり追求している。しかし、時代の流れからオープン・アウトクライの取引システムそのものが「絶滅」の危機に瀕している。
オープン・アウトクライは、電子取引システムが導入されるまで非常に活発で、米国における商品先物取引手法の代表格だった。元NYMEXのフロアトレーダーで現在はマルチウェーブ会長の井原信近氏は「90年代―2000年の初めぐらいまで(オープン・アウトクライによる)出来高は驚異的なものだった」と語る。
ところが、NYMEXで電子取引が本格的に導入されてから急速に進み現在では「電子取引が9割を占めている」(トライランドUSA会長兼CEO・上川圭一氏)状況にある。
そうした中で今のところは辛うじてフロア取引が存続している格好に。NYMEXのフロアは「今はかなり、すかすかになっている」(井原氏)。実際、フロア全体を見渡すと、活発なのはエネルギーの立会場ぐらいで他のピット(立会場。英国のLMEでは「リング」と呼ばれる)では閑散としているのがはっきりと見て取れた。
電子化が急速な勢いで進歩する中で、将来的にはオプション用の電子取引プラットフォームも整備されるとみられる。オプションの電子取引が盛んになった場合、フロアでの取引が果たして存続するかどうか―これはフロアトレーダー達にとっての死活問題となる。事実、彼らは「(フロアトレーダーとして)先はそれほど長くない」と覚悟しているようで、いつフロアがなくなるか分からない状況下で、日々の取引により真剣に臨んでいるように感じられる。
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